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 ERP(統合基幹業務システム)パッケージ「SuperStream」を開発・販売するエス・エス・ジェイ(SSJ)は2010年4月8日、IFRS(国際会計基準)への対応計画を発表した。「包括利益の表示」や「過年度遡及修正」といったコンバージェンス(収れん)項目については2010年中に対応版を出荷する。加えて、早ければ2015年から始まるアダプション(強制適用)へ対応するための機能を備えた製品を2012年以降に出荷する計画とした。

 日本の会計基準をIFRSに近づけるための制度変更であるコンバージェンスへ対応する機能については、「法制度の変更であると考え、保守料金の範囲内で提供していく」とSSJの山田誠マーケティング企画部長は説明する。一方でアダプションに対応する機能については「法制度の変更に基づくものは無償だが、オプションとして有償で提供する可能性がある機能もある」と山田部長は話す。

 2011年4月以降から適用される「過年度遡及修正」を実現するための機能は、2010年12月から提供する計画だ。また適用時期が決定してない「包括利益の表示」を実現する機能については、「製品の開発が進んでいるので、適用時期が決まり次第すぐに出荷できる状態」(山田部長)という。2010年4月以降に始まった事業年度から適用になる「資産除去債務」を計上する機能は2010年2月に出荷済みだ。

 過年度遡及修正は、会計処理の方針の変更や、財務諸表に誤りがあった場合などに過去にさかのぼって実際の財務諸表を修正することを定めた会計基準。包括利益の表示は、資産価値の増減を利益を「その他包括利益」として計上し、当期純利益に加える会計基準を指す。資産除去債務は、資産を撤去する場合の費用を事前に計上することを定めている。いずれもこれまでの日本の会計基準にはない考え方である。

 包括利益の表示への対応としては、損益計算書の末尾に包括利益を計上する方式と、損益計算書とは別に包括利益計算書を用意する方式の両者に対応できる機能を準備する。包括利益の表示が求められない単体の財務諸表を考慮して、「現行の日本の財務諸表を作成できる機能も残しておく」と山田部長は強調する。

 会計基準そのものにIFRSを採用するアダプションに対応した製品については、「顧客企業のIFRS対応を考慮して2012年には出荷する計画」(山田部長)だ。現在もっとも早い場合、2015年3月期からIFRSのアダプションが始まる。その場合、2013年4月時点で「開始財政状態計算書(現在の貸借対照表)」を用意する必要がある。山田部長は「システム構築期間を考慮すると2012年になる」と話す。IFRSのアダプションの時期は2012年に最終決定する。

 アダプションに向けた機能としては、現行の損益計算書、貸借対照表に代わる「包括利益計算書」や「財政状態計算書」の表示といった制度対応の機能に加え、「複数元帳の機能も準備する」(山田部長)計画だ。

 複数元帳は「日本の会計基準とIFRS」といった複数の会計基準に対応するために元帳を複数保持する機能である。IFRSがアダプションになった場合、連結財務諸表はIFRSに基づいて作成し、単体の計算書類は現行の日本の会計基準に基づいて作成しなければならない可能性が高い。複数の基準への対応を簡素化するために、複数元帳を利用する。

 SSJは現在、SuperStream-COREとSuperStream-NXの二つの製品ラインを持つ。IFRSのコンバージェンスについては、「COREとNXの両方とも対象にする」と山田部長は話す。SuperStreamの顧客数は2009年9月末時点で5500社であり、そのうち570社が上場企業という。山田部長は「当面は既存顧客のIFRS対応をサポートしていきたい」とする。