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 企業の会計基準などを決めている企業会計基準委員会(ASBJ)は2010年4月9日、第199回委員会を開催。IFRS(国際会計基準)へのコンバージェンス(収れん)に関する最新の「プロジェクト計画表」を承認した。「包括利益」の最終基準公表時期を3カ月延期するなどの変更を加えたほか、これまで「2011年」とひとくくりにしていた来年の計画を「2011年上期」「同下期」に分割して表示する。早ければ4月12日にも公表する予定だ。

 コンバージェンスは日本の会計基準とIFRSとの差異を縮める取り組み。プロジェクト計画表では、(1)既存の差異に関連するプロジェクト項目、(2)IASB/FASBのMOUに関連するプロジェクト項目、(3)IASB/FASBのMOU以外のIASBでの検討に関連するプロジェクト項目に分けて、計17項目の会計基準に関する計画を示している。IASB/FASBのMOUとは、IFRSと米国会計基準とのコンバージェンスプロジェクトである。

 (1)既存の差異に関連するプロジェクト項目で大きいのは、「包括利益」の最終基準公表時期を延期したことだ。従来の「2010年1~3月」から「同4~6月」に3カ月延期した。これに伴い、「企業結合(ステップ2)」と「無形資産」の公開草案公表時期も、従来の「2010年4~6月」から「同4~9月」と幅を持たせた。両基準とも最終公表時期は2010年10~12月で変更はない。

 その他の基準についてはMOUの計画変更などに伴い、計画を変更している。「収益認識」はMOUの計画変更はないが、これまで「2010年はIASB/FASBの動向を踏まえ、検討の方向性を示す」としていたのが、今回は論点整理が「2010年10~12月」、公開草案が「2011年上半期」と明記した。「公正価値測定・表示」では、IASB(国際会計基準審議会)における最終基準の公表時期が従来の「2010年第2四半期」から「同第3四半期」に延びたことに伴い、公開草案が「2010年4~6月」、最終基準が「同10~12月」とそれぞれ3カ月延びた。

 逆に計画が前倒しになった基準もある。「退職給付(ステップ1)」は、これまで最終基準公開を「2011年」としていたが、今回「2010年10~12月」に早めた。

 (3)MOU以外のIASBでの検討に関連するプロジェクト項目では、新たに「排出権」を追加した。日本でも排出権取引への関心が高まっていることに対応したものだ。論点整理を「2011年上期」に公表する予定。IASBは2010年10~12月に論点整理を公表する計画だ。

 これまでASBJは、プロジェクト計画表を原則として年1回、改定していた。ASBJがプロジェクト計画表を発表するのは07年12月、08年9月、09年9月に続いて4回目となる(関連記事)。しかし、MOUプロジェクトが2011年6月の完了に向け、急ピッチで基準の改定を進めていることから、「年1回の改定では実態に合わなくなっている。今後はIASBの進捗を見ながら、適宜更新していく」(ASBJ)としている。