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 NHKは2010年5月24日、超多値OFDM技術と偏波MIMO技術を用いることで、大容量コンテンツの伝送を実現したと発表した。現在、地上放送は1チャンネルで1番組のハイビジョンを送るのに対し、この技術を使うことにより、同時に4番組のハイビジョンを伝送することが可能になったという。

 超多値OFDM技術とは、OFDM信号のベースとなる各キャリアのシンボルの信号点数を増やして、一度により多くの情報を伝送する技術である。現行の地上デジタル放送(ISDB-T)のOFDM信号では、最大64個(2の6乗)の信号点を用いて一度に6ビットの情報を伝送している。今回開発した技術は、最大1024個(2の10乗)の信号点を用いることで10ビットの情報を伝送する。

 偏波MIMO技術では、水平偏波と垂直偏波の2つの電波を使い、同じチャンネルでも互いに異なる情報を同時に伝送する。現行の地上デジタル放送では、混信を避けるために水平偏波あるいは垂直偏波のどちらか一方だけを使って放送しているが、二つの電波を同時に使用することで、伝送できる情報量を2倍に増やす。水平偏波用および垂直偏波用のアンテナで受信した信号は、互いに他方の偏波の信号が混ざった状態だが、二つの信号を精度良く分離し、大容量の情報が正しく復調できることを確認した。

 NHKとしては将来、ハイビジョンの16倍の画素数を持つスーパーハイビジョン(SHV)を地上波で家庭に届けるには、大容量伝送が可能な技術が必要不可欠と考えて開発を進めている。開発技術は、2010年5月27日から30日に開催するNHK放送技術研究所の一般公開で展示する。

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