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図1 受託放送事業の選定は事実上の方式の選択
図1 受託放送事業の選定は事実上の方式の選択
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図2 ユビキタス特区における実証試験の実施状況
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図3 受託放送事業者の選定の想定スケジュール
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図4 MediaFLOの世界展開の状況
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図5 FLO Forumで各レイヤーの標準化作業が進む
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図6 ISDB-TとISDB-Tmmは異なると主張
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図7 特定基地局の開設指針について
図7 特定基地局の開設指針について
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図8 審査に対する期待
図8 審査に対する期待
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 KDDIは2010年6月3日、MediaFLO方式を前提に携帯端末向けマルチメディア放送の委託放送事業への参入を目指した新会社の設立を発表した(関連記事1へ)。この日の会見では、携帯端末向けマルチメディア放送の受託放送事業への参入を目指すメディアフロージャパン企画の増田和彦代表取締役社長が、事業化に向けた取り組み状況を説明した。

 携帯端末向けマルチメディア放送は、VHFハイバンド(V-High)の14.5MHz幅を利用した全国向け放送について、現在受託放送の申請を受け付けている。受託放送事業者の参入枠は一つであり、ISDB-Tmm陣営との一騎打ちになると見込まれている(関連記事2へ)。こうした事情を踏まえて、増田和彦社長は「受託放送に関する審査への期待」とし、MediaFLO陣営の主張を展開した。

 この中で、技術方式選択のキーファクターは、「受信端末がいかに普及するのか」にあると指摘した。その上で「今後の端末トレンドはオープンOSを搭載したスマートフォンの市場が拡大する」「グローバル市場に普及するプロダクトに搭載されやすい方式とは」と論理を展開し、MediaFLOの優位性を訴えた。

 従来からMediaFLO陣営は、同技術をグローバルスタンダードであると主張してきた。今回の説明ではISDB-Tの採用が始まっている南米の状況を取り上げて、「無料放送のISDB-Tmmと有料放送のMediaFLOが協調して進行している」と紹介した。その上で、マルチバンド対応のデュアルチップを開発済みであることなどを説明した。

 放送技術といえば、下位レイヤーの「無線インタフェース」部の目が行きがちだが、今回増田社長は「誰もが受信端末を作れる状態になっているのか、下位から上位レイヤーまでインタフェースが規定されているのか」などを、受信機の実装に必要な項目として指摘した。その上で、MediaFLOはFLO Forumにおいて標準化が完了していることなどを報告した。

<ISDB-TとISDB-Tmmは異なる部分があると主張>
 増田社長は、現在国内の地上デジタル放送で展開されているISDB-TとISDB-Tmmは、無線区間は似ているが、異なる部分があると説明した。海外で評価されるのは、日本で商用化の実績があり、地上デジタル放送の周波数の中で携帯端末向けサービス(ワンセグ)を提供できるからであり、有料ビジネスのマルチメディア放送にはそのままでは対応できないと指摘した。

 ISDB-TmmがISDB-Tと異なる点として、(1)地上デジタル放送とは別の専用周波数の割り当てが必要、(2)ワンセグ対応携帯電話機で受信できるわけではなく、専用のデバイス実装が必要な点を挙げた。さらに、実証実験の観点からフィールド実証状況は不明であるとした。また13セグメントの一括受信となり、ISDB-Tのセグメント方式の利点(低消費電力など)はないと指摘した。

 受託放送に関する特定基地局開設指針について、「放送方式の評価ではなく、取り組み実績と今後の計画の評価」だと述べた。その上で、開設計画審査に対して、「申請者の開設計画の内容が充実していることが大前提」とした上で、「日本技術にこだわるあまり、「ガラパゴス化」を招き、日本の利用者が不幸になることはあってはならない」「透明で技術的中立的な審査を行われることを期待する」などと述べた。