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 総務省は2010年6月9日、「ラジオと地域情報メディアの今後に関する研究会」の報告書素案を公表するとともに、同日から6月22日までの間、意見募集を行うと発表した。

 同研究会は、ラジオをはじめとした地域情報メディアの将来像について多様な角度から検討を行ってきた。今回報告書素案は、研究会が最終的に取りまとめた報告書案ではなく、その前段階の検討途上のものである。報告書案をまとめる前の段階での意見募集というのは、異例の展開とも言える。固まっていないだけに、提出意見が研究会における議論の中で柔軟に活用させる可能性もありそうだ。

 研究会では、V-Low帯を利用したマルチメディア放送のあり方も視野に入れた検討を進めてきた。V-Low帯を利用したマルチメディア放送は、V-High帯を利用した全国向け放送と異なり、地域ごとに異なるマルチメディアコンテンツを送信できる。この中でラジオは有力な地域情報メディアの一つと位置づけられているが、研究ではラジオ以外にも様々な用途を想定して検討を進めている。例えばタブレット端末にV-Low受信機を搭載すると、電子新聞/チラシや電子書籍などを受信できる。ついでにデジタルラジオも受信できる。

 実際に素案に例示されている周波数の割り振り案を見ても、ラジオのサイマルといった用途も想定されているが、NHK/既存民放以外の第三のプレーヤによるマルチメディアコンテンツの配信に多くの帯域が用意されている。

 素案では、第三極によるサービスとして、交通、教育、福祉、新聞、雑誌、観光などを例示する。こうしたサービスを単独で提供するという考え方もあれば、相乗りするであろうラジオ放送と連動させることで相乗効果を狙う考え方もありそうだ。端末としては、携帯電話相乗り、タブレット端末相乗り、車載端末相乗り、電子教科書相乗り、安心安全端末などを挙げる。

 第三局も含めると、「V-Lowを地域情報メディアに使う」という観点から様々な用途が考えられそうだ。今回素案の段階で意見募集を行った理由の一つとして、実際の現場から意見を吸い上げて、報告書に反映させたいという意図もありそうだ。

 なお、研究会の報告書素案は、「ラジオ論」、「ラジオ論からV-Low論」、「V-Low論」と展開されている。ラジオのデジタル化という観点からも一定の方向性を打ち出している。

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