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 総務省の「ラジオと地域情報メディアの今後に関する研究会」は2010年6月28日に、第10回の会合を開催した。この日の会合では、事前に公表された素案に対して寄せられた意見が公表された。また、寄せられた意見を受けて、四つのテーマを取り上げて、傍聴者も交えた意見交換を行った。

 パブコメでは、第三極の候補にもなりえる財団法人の道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)が具体的な意見を述べた。同法人は、カーナビへのFM多重放送などを使った道路交通情報の提供で実績のある。「ITSやVICSへの言及、交通アプリとしての位置づけを明確化」したことを大いに評価すると表明した。V-Lowに期待を寄せるVICSセンターにとって大変心強いものとも述べている。報告書の読者対象に「自動車メーカーを追加してはどうか」と積極的な提案も行うとともに、2013年の放送開始および早期の全国展開に向けた取り組みの加速に期待を表明した。

 機能面では、例えば「交通アプリでは位置情報や地域情報などを組み込み、コンテンツの取捨選択に役立つ情報を提供できることが望ましい。従来のEPG/ECGの進化系において、こうした機能が実現されることを期待する」とした。利用セグメント数のイメージについても、情報量の多い広域圏で1セグメント、少ない県域では1/2セグメントといった形態が可能になれば、効率的な運用が可能になると述べた。

 交通情報関係では、ドライブメディア協議会が意見を述べ、さらに匿名の団体も道路情報関係で意見を述べている。それぞれ立場は異なるものの、交通関係の関心の高さは伺えた。

 この日の会合では、パブコメを受けて、(1)三大都市圏のブロック内の県域放送の扱い、(2)音声優先セグメント参入に当たって防災機能の強化、自社制作比率の設定、(3)ソフト事業者の参入単位、(4)V-Lowの海外展開が議論のテーマとして取り上げられた。

 (1)については、広域圏内でも県域放送を行えるようにして欲しいという強い意見が出ていた。ただし、周波数幅には限界があり、実現は相当に難しいと見られる。

 (2)では、特に自社制作比率として50%以上と示されていることに関することに議論が集中した。提出された意見を見ると多くのラジオ局から慎重な扱いを求める声が寄せられていた。これに対し、研究会のメンバーの間では、「ラジオ局を地域情報メディアの担い手として残すべきである」という前提で議論し、V-Low帯の仲に専用レーンを用意するとした以上は、「地域情報メディアの担い手」として50%といった一定の目安は必要という考えで一致しているようだった。(3)については、セグメントを細かく分割した単位の参入も認めていいのでは、という意見を委員会のメンバーの一人は述べた。(4)については、当然前向きに考えましょうという方向になった。