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写真1●パネルディスカッションの様子。左から、スタートトゥデイの安田由華氏、良品計画の奥谷孝司氏、米アドビ システムズのシーラ・ダルグレン氏、米アート テクノロジー グループのマーク・スティール氏(撮影:皆木優子)
写真1●パネルディスカッションの様子。左から、スタートトゥデイの安田由華氏、良品計画の奥谷孝司氏、米アドビ システムズのシーラ・ダルグレン氏、米アート テクノロジー グループのマーク・スティール氏(撮影:皆木優子)
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写真2●モデレーターを務めた多摩大学大学院客員教授、本荘事務所代表の本荘修二氏(撮影:皆木優子)
写真2●モデレーターを務めた多摩大学大学院客員教授、本荘事務所代表の本荘修二氏(撮影:皆木優子)
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 2010年7月13日に開催した「NETMarketing Forum 2010」専門トラックB(EC)、午前のキーノートパネルのテーマは、「『単に売る』から『顧客の心をつかんで売る』へ ブランドロイヤリティを向上させる価値共創型マーケティング」。

 パネリストには、ECサイト側からファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ プロモーション部ディレクターの安田由華氏と、「無印良品ネットストア」を運営する良品計画 web事業部長の奥谷孝司氏、ソリューション提供側からECサイト向けに商品紹介動画などリッチコンテンツを管理できるASPサービス「Adobe Scene7」をリリースする米アドビ システムズ Scene7 メディアソリューションズ部門 プロダクトマーケティング担当シニアディレクターのシーラ・ダルグレン氏と、ECサイト向けソフトを提供する米アート テクノロジー グループ(ATG) ミッドマーケット部門マーケティングマネージャーのマーク・スティール氏の4人を迎えた(写真1)。多摩大学大学院客員教授で、「大企業のウェブはなぜつまらないのか」などの著書がある本荘修二氏(写真2)がモデレーターを務め、不毛な価格競争に陥らずにECサイトの競争優位性を維持する方法などについて議論した。

 スタートトゥデイの安田氏は、「ZOZOTOWN」が会員200万人を突破して高い定着率を保っている理由について、毎日2000アイテムを入荷することで常に目新しさがあること、「売り切れ」ではなく「キャンセル待ち」と表示して実際にキャンセル待ちを受け付けるなどワクワク感があること、初回購入者に自社をよく知ってもらうためのタブロイド版「WELCOME BOOK」(全32ページ)を同封していることなどを説明。ZOZOのファンになってもらうための既存会員向けプロモーションに注力してきた結果、年1回以上ZOZOで買い物をするアクティブ会員で5年目を迎えるユーザーの平均年間購入額は約8万円に上っているという。

 良品計画の奥谷氏は、ネットストアが担う役割として実店舗への送客を挙げ、ネットストアで注文した商品を実店舗で受け取れるサービスや、テレビCMで使用した曲の着メロダウンロード用QRコードをあえて店頭でのみ公開した取り組みについて説明。ネットと実店舗の行き来を増やし、Twitterを活用してゆるくつながり合うことで、顧客の無印との接点を拡大する方法を模索しているという。

 アドビ システムズのダルグレン氏は、欧米の先進ECサイトでフルスクリーンの高解像度写真や、360度どの角度からも手に取っているように見ることができる機能、商品の服を着たモデルがファッションショーのように歩く動画付き商品説明などの導入が進んでいる現状を説明。導入前に比べてCVR(コンバージョン率)が軒並み大幅上昇していることから、リッチコンテンツの導入が顧客経験価値(カスタマー・エクスペリエンス)の向上に貢献すると主張した。

 ATGのスティール氏は、消費者は購入までに企業サイトのほか、価格比較サイトや「Facebook」をはじめとするソーシャルメディアなど様々なメディアに接し、その数が多い人ほど購入単価が多いことから、クロスチャネル対策がECサイトにとって不可欠であることを説いた。

 こうした議論を受けてモデレーターの本荘氏は、商品価値や魅力の体験を、PC、テレビからモバイルまでマルチスクリーンで可能にし、目先の売り上げよりも長期間にわたって顧客ロイヤリティの向上に努めることが今後のECサイトの課題になると解説してパネルを締めくくった。