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写真1●協業を発表する富士通の阿部孝明 常務理事サービスビジネス本部長(左)とマイクロソフトの五十嵐光喜 業務執行役員エンタープライズパートナー営業統括本部統括本部長(右)
写真1●協業を発表する富士通の阿部孝明 常務理事サービスビジネス本部長(左)とマイクロソフトの五十嵐光喜 業務執行役員エンタープライズパートナー営業統括本部統括本部長(右)
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 マイクロソフトと富士通は2010年7月13日、クラウド分野の事業提携に関する説明会を開催した(写真1)。米国時間の7月12日に発表したクラウド専用システム製品「Windows Azure platform appliance(以下Azureアプライアンス)」の共同発表を受けて開催したもの(関連記事)。

 提携の骨子は、Azureアプライアンスの共同開発と、それを使った富士通ブランドのクラウドサービスの展開、マイクロソフト認定のAzure技術者の育成、両社共同でのマーケティング活動の実施--である。富士通はAzureアプライアンスを基に開発した富士通ブランドのクラウドサービス「FJ-Azure(仮称)」を2010年末に提供開始するほか、Azureアプライアンスの外販も目指す。マイクロソフトはAzureを自社データセンターだけで提供してきた方針を転換。既存のWindowsビジネスと同じく、Azureでもパートナーを使った外販を加速する。

国内でワンストップ型のクラウドを提供

写真2●ワンストップ型で提供するクラウドサービスのプラットフォームとしてFJ-Azureを位置付ける
写真2●ワンストップ型で提供するクラウドサービスのプラットフォームとしてFJ-Azureを位置付ける
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 「富士通ならではの付加価値を施した、より使いやすいクラウド環境を目指す。導入コンサルティングからシステム開発、運用からサポートまで、富士通がワンストップで提供する」。富士通の阿部孝明 常務理事サービスビジネス本部長は、提携の狙いをこう説明する。具体的にはシングルサインオンなどのユーザー管理機能や業務アプリケーション、運用・保守サービス、そして試験提供中の仮想マシン貸しサービスである「オンデマンド仮想システムサービス」などを組み合わせる(写真2)。

 当初は群馬県館林市にある富士通のデータセンターを拠点として活用する。「国内にあるデータセンターを使うことで、データの所在地を重視する顧客にもクラウドを使ってもらいやすくなる。さらにAzureを土台にすることで、膨大なWindows資産を生かしたクラウドビジネスを展開できる」(阿部常務理事)。

 両社が共同開発するAzureアプライアンスとは、マイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure platform」のソフトを導入した、サーバーやストレージ一式から成るシステム製品。OSに当たる「Windows Azure」、リレーショナルデータベースの「SQL Azure」、サービス連携ミドルウエア「Windows Azure AppFabric」といった、「Azure platformのコアとなる技術を、すべて搭載する」(マイクロソフトの五十嵐光喜 業務執行役員エンタープライズパートナー営業統括本部統括本部長)。同社のシステム管理ソフト「System Center」に基づく自動管理機能やActive Directoryに基づくID管理機能なども備える。

 マイクロソフトがAzureアプライアンスを提供することで、「これまでマイクロソフトだけが提供してきたAzureのサービスを、パートナー企業が自社のデータセンターから顧客企業に提供できるようになる」(五十嵐業務執行役員)。マイクロソフトは富士通のほかに、米国でデル、ヒューレット・パッカード、オークションサイト大手のイーベイとも、Azureアプライアンスを共同開発すると発表している。

 Azureアプライアンスの基本的な仕様は、マイクロソフトが決める。各社のx86サーバーにAzure platformのソフトを導入。基本的な設定を施した状態で、パートナーのデータセンターに設置する。

 アプライアンス(専用装置)といっても、既存のWebサーバー専用装置などに比べて、はるかに大規模になる。利用するサーバーの台数は、最低でも数百台の後半以上になる。「三桁の後半から四桁のサーバーで使うような規模感」(五十嵐業務執行役員)である。

 ただし具体的なハードウエアの仕様について、現時点では未定。ビジネスモデルについても現時点では何も決まっていないという。例えばマイクロソフトから富士通などのパートナー企業に提供するAzure platformのライセンス体系や料金、パートナー企業から顧客企業に提供するサービスの料金体系などの詳細は、今後詰めるとしている。