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写真1●ディーツー コミュニケーションズの宝珠山卓志代表取締役社長(撮影:新関雅士)
写真1●ディーツー コミュニケーションズの宝珠山卓志代表取締役社長(撮影:新関雅士)
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 ディーツー コミュニケーションズ(D2C)代表取締役社長の宝珠山卓志氏は2010年7月13日に開催された「NETMarketing Fourm 2010」(日経BP社主催)で、「スマートフォン広告市場はどうなるか?モバイル広告・マーケティングとスマートフォン」と題して講演。スマートフォンのマーケティング活用における課題などを語った(写真1)。

 まず宝珠山氏は、過去10年ほどの携帯電話の普及プロセスについて解説した。2001~2003年は第3世代携帯電話が普及した「黎明期」、2004~2006年は定額制導入によってモバイルサイトの利用が進んだ「普及期」と位置づけた上で、2007年以降は、モバイルでも検索活動が一般化した「拡大期」と説明した。

 こうした携帯電話のインフラやサービスの進化に伴い、広告市場も活性化してきた。その秘訣として、宝珠山氏が挙げたのが「競争と協調」というキーワードだ。ほかの広告代理店など他社との関係で、「ユーザーとの接点では競争し、バナー広告の画像のサイズの統一といった業界ルールの策定などでは協調してきた」という点を指摘した。

 このように発展を遂げてきた日本のモバイル市場で、最近では米アップルの「iPhone」や米グーグルのOS「Android」を搭載した機種など、スマートフォンが普及し始めている。宝珠山氏は「スマートフォンは魅力的なデバイス」と位置づける一方で、スマートフォンのマーケティング活用を進める上での課題を指摘した。

 まず挙げたのは、ユーザーの利用実態だ。同社がスマートフォンユーザーを対象に調べたアンケート調査によると、スマートフォンユーザーは、米アップルの「App Store」などアプリをダウンロードできるサイトへの来訪頻度が多い傾向が見られた。「1日1回以上アクセスするユーザーが約20%、週に1回以上アクセスするユーザーでは55%を占める」。

 しかし、実際にダウンロードするアプリは、無料の方が多いと答えたユーザーが9割近くを占めるなど、無料のアプリばかりを使うユーザーが多く、有料のアプリをダウンロードして利用するユーザーは少ないことが分かった。「回答者に尋ねたプロフィルを見ると、年収は高めで、新しい商品・サービスの利用に積極的な傾向が見られた。それなのに有料アプリの利用が進んでいない」(宝珠山氏)。

 続いて指摘したのが、スマートフォンにおける「デバイス・フラグメンテーション(断片化)」である。様々な種類のスマートフォンが登場し、OSの種類だけでなく、ハードウエアの機能でも違いが見られる。しかし、「従来の感覚で言うと、(広告の配信先として)1000万台は無いと、広告主は関心を示してくれない」のが現状。そのため、複数の機種をまとめて横断的に広告配信をするなどの工夫が求められるという。

 こうした課題を解決するため、スマートフォンに関しても従来の携帯電話のような「競争と協調」が必要だと宝珠山氏は指摘する。広告代理店や通信事業者、端末機器のメーカーなど関係者が多い中での企業間の協力の必要性を訴えた。

 そのほか、今後のモバイルの展望としては、デバイスの多様化が進む中で、ユーザーがTPOに応じてデバイスを使い分けるマルチスクリーン化が加速する状況を予測した。宝珠山氏は、「パソコンかモバイルかといったデバイスの種類から考えるのではなく、全体の姿からそれぞれの位置づけを考える統合デジタルマーケティングを目指すべき」と提言した。