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写真●大和ハウス工業の樋口武男会長(撮影:皆木優子)
写真●大和ハウス工業の樋口武男会長(撮影:皆木優子)
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 「何をしたらもうかるか、ではなく、将来社会で何が必要になるのか、どうすれば社会のためになるのかを考えて事業をやることが大切だ」。2010年7月15日、大和ハウス工業の樋口武男会長兼最高経営責任者は「IT Japan 2010」の講演で、自身の経営観をこう語った。

 この教えは、同社の創業者である故・石橋信夫氏からのものだという。「決断すること、現場主義を貫くことなど、私は多くのことを創業者から学んだ」(樋口会長)。

 それらの教えを交えながら樋口会長が紹介したのは、同社グループの事業キーワードである「あすふかけつの(明日不可欠の)」。「将来、社会に必要な事業を手がけることが、結果として売り上げや利益につながる」と樋口会長は強調する。

 例えば「ふ」は「福祉・医療」を指す。大和ハウス工業はロボットスーツの開発を手がけるサイバーダインに出資し、ロボットスーツのリース事業を展開している。想定している利用方法は、肉体を使う仕事が多い福祉・介護現場のサポートである。

 出資を決めた時のエピソードを、樋口会長は次のように明かす。「サイバーダインのCEOである(筑波大学の)山海(嘉之)教授に会って、研究にかける思いについて直接質問した。彼は『人の役に立つものを作りたい』とおっしゃった。すぐに私は経営会議にサイバーダインへの出資を提案しようと決めた」(樋口会長)。樋口会長は、「日頃から事業の構想を描き、何をすれば社会のためになるかを考えていれば、必要な決断はすぐにできる」と語る。

 「21世紀は『共生』の時代」と語る樋口会長は、続けて大和ハウス工業のM&A事業について紹介した。リチウムイオン電池のエリーパワーに出資して進めている住宅用電池事業、TOTOと共同開発した健康測定機能付きのトイレ、NTTコミュニケーションズと共同開発した住宅設備の自動制御システム、雪国まいたけと資本・業務提携して進めている農業分野の事業に触れた。「情熱を持っている事業家や企業と、Win-Winになる形で協力することがとても重要だ」(樋口会長)。