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写真●東日本旅客鉄道(JR東日本)副社長の小縣方樹氏(撮影:皆木優子)
写真●東日本旅客鉄道(JR東日本)副社長の小縣方樹氏(撮影:皆木優子)
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 「第1の事業である鉄道事業、第2の事業である生活サービス事業、それぞれがICTの力で大きく変わってきた」。東日本旅客鉄道(JR東日本)の小縣方樹副社長は2010年7月15日の「IT Japan 2010」講演壇上でこう語った。

 同社では鉄道事業、そしてショッピングやホテルなど生活サービス事業に続き、交通系電子マネー「Suica」を、経営の「第3の柱」として確立しようとしている。「利用エリアや提携先を拡大し、ナンバー1の電子マネーを目指す」(小縣副社長)。

 小縣副社長は「Suicaという第3の柱を伸ばすことが、既存の鉄道事業や生活サービス事業にメリットをもたらす」と語る。Suicaの普及に応じて、もともと券売機に使っていたエリアを小売店や飲食店に転用する。乗客はSuicaにより時間の余裕が生まれるため、新たに設けた小売店や飲食店での消費が見込める。

 将来的には、Suicaで得た少額決済の消費データをマーケティングデータに加工して活用する。自社グループにおけるCRM(顧客関係管理)活動に使用するだけでなく、企業向けにノウハウなどを提供する「マーケティング・ソリューションビジネス」も検討しているという。

 また、ICTの活用例としてWiMAXを紹介した。「通信の発達が人の移動を促す。通信と鉄道は非常に親和性が高い」(小縣副社長)。

 JR東日本はWiMAX事業会社であるUQコミュニケーションズに出資している。駅にWiMAXの通信基地局を敷設し、利用エリアを確保している。ほかにも、首都圏と成田空港を結ぶ「成田エクスプレス」の新型車両では、WiMAXを使った車内向け通信サービスを提供中だ。

 鉄道業務へのWiMAXの適用も進めている。車内の情報案内装置にデータを転送する仕組みについて、既に一部WiMAXを活用中だ。また、車両や線路のメンテナンス業務に適用する構想もあるという。例えば、電車の車両に各種センサーを搭載し、線路や車両の状態をモニタリング。WiMAXでJR東日本の監視センターにデータを定期的に送信し、より綿密な監視と素早い対応ができるようにする、といったものだ。「経営のトップ・プライオリティである『安全』に、ICTが大きく貢献する」(小縣副社長)。