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図1 KDDIとのアライアンスに向けた検討の項目
図1 KDDIとのアライアンスに向けた検討の項目
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図2 「通信事業・商品連携」における取り組み
図2 「通信事業・商品連携」における取り組み
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図3 「メディア事業」における取り組み
図3 「メディア事業」における取り組み
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図4 「CATV事業」における取り組み
図4 「CATV事業」における取り組み
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図5 J:COMバックボーンとKDDI電話網との相互接続
図5 J:COMバックボーンとKDDI電話網との相互接続
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図6 次世代STB開発のイメージ
図6 次世代STB開発のイメージ
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図7 今後の営業戦略のイメージ
図7 今後の営業戦略のイメージ
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図8 顧客満足度の向上に向けた取り組み
図8 顧客満足度の向上に向けた取り組み
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 ジュピターテレコム(J:COM)は2010年7月27日、2010年度第2四半期決算説明会を開催した。代表取締役社長の森泉知行氏は、第3四半期移行の重点施策の一つとして、「KDDIとのアライアンス推進」を挙げた。

 KDDIとのアライアンス推進については、「通信事業と商品連携」や「メディア事業」、「ケーブルテレビ事業」に関して、分野ごとに具体的な取り組みの開始予定時期を示した(図1、図2、図3、図4)。新電話サービスである「J:COM PHONEプラス」は2011年4月の導入開始を予定する。J:COM PHONEプラスは、KDDIのケーブルプラス電話の卸しによる固定電話サービスである。このサービスの加入者は、KDDIの固定電話や携帯電話の加入者のほか、既存のJ:COM PHONE加入者との無料で通話できる。J:COM PHONEプラスの導入に伴い、既存のJ:COM PHONE加入者を対象にした優遇通話措置を開始する。通話プラン「とくとく・トーク」を利用すれば、KDDIの固定電話(ケーブルプラス電話を含む)とJ:COM PHONEプラスの加入者とは無料で通話できる。さらに、一定の条件を満たせば、auユーザーとの無料通話も可能にする。固定電話ユーザー向けの無料通話は2010年12月に、auユーザー向けについては2011年4月に開始する。なお、J:COM PHONEプラスの提供開始後は、新規加入者に対するJ:COM PHONEの販売を終了する。

 J:COMが加入者にauを紹介する「au紹介取次制度」は2011年4月の開始を、ケーブルテレビとインターネット、固定電話などの各種J:COMサービスとauの請求をJ:COMに一本化する制度である「J:COMまとめ請求」も2011年4月の開始を予定する。さらに2011年1月から、UQコミュニケーションズのWiMAXサービスをMVNOで提供する「J:COM WiMAX」の提供を予定する。J:COM WiMAXは、J:COMのインターネットサービス「J:COM NET」加入者向けのオプションとなる。このほかに、2010年8月1日から9月30日にかけて関西エリアにおいて、J:COMとKDDIのクロスセル・プロモーションである「入っトクキャンペーン」を行う。J:COMの加入促進の対象世帯は、J:COMエリア内のau加入者で約60万世帯である。一方、auの加入促進の対象は、関西エリアのJ:COM加入者で約110万世帯である。

 メディア事業に関しては、VOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスでの連携の一環として、2010年8月からコンテンツ調達を一元化する。さらに今後、VODシステムの統合を検討する。このほかにコンテンツの相互配信の推進に向けて、2010年8月からKDDIのLISMOキャンペーン映画「ラブコメ」などをJ:COMオンデマンドで配信する。また、KDDIの映像配信サービスである「auひかりTVサービス」でJ:COMグループの専門チャンネルである「ゴルフネットワーク」と「チャンネル銀河」の提供を2011年6月までに開始する予定である。広告事業では、J:COMグループの専門チャンネルやコミュニティーチャンネルと、auとの連動によるパッケージ型広告商品の開発と販売を2010年10月に予定する。

 ケーブルテレビ事業では、ジャパンケーブルネット(JCN)との共同プロモーションを行う。第一弾は2010年10月に共同広告を実施し、ハイビジョン化を訴求する。第二弾は2010年12月に、東京都内で共同イベントを行う。専門チャンネルの人気キャラクターを集めたイベントを予定する。プロモーションやイベント開催以外では、引越しをする加入者などを対象にJ:COMとJCNの相互加入者紹介制度の提供を2010年7月に開始した。

 技術およびインフラ面での取り組みでは、J:COMバックボーンとKDDI電話網との相互接続を2011年4月から順次行う(図5)。国際接続はほかの事業者からKDDIに切り替える。さらに、ケーブルテレビの次世代セットトップ・ボックス(STB)の開発に向けて、J:COMとKDDIの研究開発の成果を活用する。まず、家電見本市「CEATEC JAPAN 2010」(2010年10月開催)において、両社はそれぞれ試作機を展示する。その後、研究開発をさらに進めて、2012年の次世代STB投入を目指す(図6)。これらの施策を着実に実行することで、「業績面で2015年までの5年間の累計で、売上高ベースで800億円、利益面では100億円程度の貢献を期待している」(取締役の加藤徹氏)とした。

 このほかに森泉氏は、第3四半期移行の重点施策として、KDDIとの協業のほかに「新たなターゲット層の開拓」と「お客さま満足度のさらなる向上」の二つを挙げた。

 新たなターゲットの層の開拓は、新しいテレビ視聴スタイルである「オンデマンド型視聴」の提案によって実現する。2010年7月15日から集合住宅の居住者向けに提供を開始したVODを中心としたパッケージ「J:COM TV My style セレクト」によって、単身層や若年層からの新規加入者の開拓を推進する。森泉氏はJ:COM TV My style セレクトについて、「海外のケーブル事業者も導入していない非常に先端的なサービス。ぜひ成功させたい」と意欲を見せた。これに加えて、ファミリー向けに複数の世代の多様なニーズに対応する商品である多様な専門チャンネルを視聴できる「ビッグベーシック」のパッケージを引き続き提供する。これにより、単身層・若年層からファミリー層までの幅広い層を加入者として取り込むことを目指す(図7)。

 顧客満足度の向上に向けた取り組みは、CS推進本部が中心となって進める。CS推進本部は、2010年7月1日付けで新たに設立された部門である。森泉氏は、「顧客から寄せられる意見は、これまでも社内で共有していたが、必ずしも有効に活用できていなかった。このため加入者により楽しんでもらうための対策や解約防止策の立案と推進を担う部署を設立した」と、CS推進本部設立の狙いを説明した。J:COMは今後、「加入者への対応の品質強化」や「視聴習慣促進施策(STB双方向活用など)の検討」「加入者優遇施策(HDR体験施策やポイントプログラム検討など)の立案」といった課題に取り組む(図8)。

 説明終了後、森泉氏などは記者やアナリストからの質問に応じた。KDDIとのアライアンスの効果の数値(売上高ベースで800億円、利益ベースで100億円)について、「この数値にはJCNとの提携効果は含まれていない」と述べた。「JCNとの提携はアライアンスの目玉になるわけで、現場の責任者としては一刻も早く実現したい。ただし、前回の発表に比べて進展がなかったので、今回は発表しなかった」と説明した。さらにJ:COMの主要株主である住友商事とKDDIについて、「J:COMの企業価値の向上において、ケーブルテレビ事業の提携が重用であることは認識されていると思うので、早急に結論を出していただくことを期待している」としたうえで、「個人的には2010年中に方向性を出したい」と述べた。

 2010年7月12日に「KDDIの小野寺正社長兼会長は、将来的にJ:COMを連結子会社化したいという意向を示した」と一部で報道されたことについては、「評価してもらっているということだと思う」としたうえで、「J:COMはこれまで相当の独立性を持って事業を展開し、相当のペースで結果を出してきた」と述べた。

 なおJ:COMは記者会見に先立ち、2010年度第2四半期(2010年1~6月)の連結業績を発表した。売上高は1775億3800万円(前年度比9.3%増)、 営業利益が329億100万円(同8.2%増) 、税金等控除前利益は311億5400万円(同 9.9%増)、株主帰属四半期純利益は202億2400万円(同41.3%増)だった。

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