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 BBIX、インターネットマルチフィード、日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)は2010年8月31日、IPv6ネットワーク上にIPv4パケットを流すための技術について、3社で共通した方式の採用を検討すると発表した。IIJイノベーションインスティテュート(IIJ-II)の協力を得て、9月から来年3月にかけて技術検証を実施する。

 現在、IETF(Internet Engineering Task Force )にインターネットドラフトとして提案されているSAM(Stateless Address Mapping)と呼ばれる技術をベースに検証を進めるという。

 3社がこうした技術検証を開始した背景には、IPv4グローバルアドレスの枯渇と、2011年4月以降に始まるNTT東西地域会社(NTT東西)のNGN(次世代ネットワーク)上でのIPv6インターネット接続サービスがある。この3社は、NGN上でのIPv6インターネット接続サービスの方式の一つ「ネイティブ方式」を提供する接続事業者(ネイティブ接続事業者)に選ばれている。

 IANA(Internet Assigned Numbers Authority)が管理するIPv4グローバルアドレスの在庫は、2011年にも枯渇すると予測されている。ただし、枯渇後もIPv4グローバルアドレスを有する端末やWebサーバーなどは当面、利用され続ける。

 こうした状況下で、IPv6ネットワークであるNGN上でのIPv6インターネット接続サービスが2011年4月に始まる。このため、IPv4アドレスを割り当てられたエンドユーザーの端末から、NGNを経てIPv4アドレスを割り当てられたWebサーバーなどへの接続を可能にする技術が必要になる。今回の技術検証は、こうした混在環境で、IPv4の接続性を維持するためのものである。

 SAMベースの技術を使ったサービスの提供イメージは、図1の通り。エンドユーザー宅内にIPv4 over IPv6トンネリング機能を持たせたCPE(Customer Premises Equipment)を設置。エンドユーザー端末から発信したIPv4パケットをIPv6でカプセル化して、NGNなどのIPv6ネットワーク上に送り出す。トンネルはネイティブ接続事業者のIPv6ネットワークに設置された専用装置で終端される。終端装置ではIPv6パケットのカプセル化を解いて、IPv4パケットをIPv4インターネットに送り出す。

図1●SAMベースの技術を利用したIPv6ネットワーク上でのIPv4接続のイメージ
図1●SAMベースの技術を利用したIPv6ネットワーク上でのIPv4接続のイメージ
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複数ユーザーによるv4アドレスの共有も可能

 SAMは、複数のエンドユーザーが一つのIPv4グローバルアドレスを共有するための仕組みも備える。ユーザーごとに接続に利用するIPv4グローバルアドレスとポート番号が割り当てられると、自動的にカプセル化に利用するIPv6アドレスが決まる仕組みだ。IPv4グローバルアドレスとポート番号を組み合わせることで、複数のユーザーが一つのIPv4グローバルアドレスを共有できる。IPv4グローバルアドレスとIPv4プライベートアドレスの変換(NAT)は、エンドユーザー宅内のCPEで実施される。

 IPv4 over IPv6トンネリング、IPv4グローバルアドレス共有を実現する技術には、ほかにDS-lite(Dual-stack lite)がある。DS-liteはNATを通信事業者側の装置で実施する。SAMはNATをCPE側で実施するため、(1)DS-liteに比べて通信事業者側の設備はシンプルで済む、(2)NGN上でのIPv6インターネット接続サービスのユーザー同士なら、ネイティブ接続事業者を介さず、NGN内での通信が可能---といったメリットがあるという。

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