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 米IBMは米国時間2010年9月7日、同社のグリッドコンピューティング活動「World Community Grid」を利用した水質保全の取り組みを発表した。生態系変化のシミュレーションや、高度な濾過(ろか)技術の研究を支援する。

 科学者はWorld Community Gridを使って、人間の行動と生態系の変化がどのように関わり合うか、オンラインシミュレーションを実施する。World Community Gridは、IBMが人道的な研究を支援する目的で運営しているグリッドコンピューティングサービスで、世界中のパソコンの余剰演算能力を活用して大規模な計算処理を行う。現在60万人が参加し、150万台のパソコンが接続されている。

 持続可能な流域管理に関するバージニア大学のプロジェクトでは、World Community Gridを利用し、チェサピーク湾における農業、商業、工業の影響をモデリングする。漁師、農家、宅地開発業者、発電所設計者、自然保護主義者、都市計画業者などの間で利益相反する方針が将来どのような結果をもたらすか、さまざまなシナリオを想定する。

 濾過技術開発の「Computing For Clean Water」プロジェクトは、中国の清華大学で進めている。従来より低コストで手軽に汚濁水を浄化したり、海水を飲料水に変換したりする手法の開発を目指す。同プロジェクトには、中国以外にオーストラリアやスイスなど世界中の研究者が参加している。

 そのほか、ブラジルでは汚れた河川を介してまん延する住血吸虫病に対する治療法の研究にWorld Community Gridを利用する。

 また、IBMは自然保護団体Nature Conservancyと共同で、河川域に関する情報サイト「Rivers for Tomorrow」を今秋立ち上げる。給水能力や穀物生産、土壌流出といった問題に関する分析データやコンピュータモデルなどの情報を提供する。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]