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 総務省は2010年9月8日、定例の電波監理審議会を開催し,V-High帯を利用する全国向け「携帯端末向けマルチメディア放送」の開設計画の認定について、NTTドコモが中核となったマルチメディア放送(mmbi)の方が適当とする答申を出した。

 特定基地局の開設計画の提出から、電波監理審議会からの答申まで、合計3回の公開説明会と2回の非公開ヒアリングが実施された。この間、公開ヒアリングでは、様々なテーマについて激論がmmbiとメディアフロージャパン企画(MJP)との間で交わされた。そうしたテーマはどう評価されたのか。

 比較審査の中で評価に差がついたポイントは既に説明した[関連記事]。しかし、本当に重要なのは、差がつかなかったとされた項目だろう。そうした視点にたち、公開された比較審査に関する資料から、激論になった項目のいつくかピックアップしてみた。

 MJP側の主張の最大ポイントは、屋内における受信環境であろう。これについて、「mmbiの開設計画には屋内受信環境に関する記述はなかった」「MJPは平成27年度末時点で全国90%の世帯で受信可能としており、屋内受信を想定したシミュレーションモデルの補正を行っている。またSFNゲインによる屋内受信品質向上効果の考察をおこなっている」など報告されている。その一方で、技術的条件に関する情報通信審議会答申では、「建築物の遮蔽程度や電波到来方向などの条件に大きく依存するなど不確定要素が多いとされている」ことも指摘された。

 この結果、評価としては、「屋内受信については、不確定要素が多いため、実際の受信環境について両者の優劣を判断することは困難なものの、MJPは計画の中でこの点について考察を行っている点は評価できる」という内容に留まった。

 一方、mmbi側の主張のポイントには、比較審査で評価された「委託事業者への料金設定」に加えて、「端末普及に向けた計画の確実性」があった。後者については、受信設備の普及に関する事項の中で評価されている。

 これについては、mmbiについて「携帯電話事業者2社から具体的な数値による受信機能の搭載およびそれに基づく計画レベルでの協力了解を取り付けており、受信端末の普及の確実性という点で評価できる」とした。その一方で、「MJPが採用する技術が米国で実用化されていることや、メーカー複数社から国内外における受信設備の開発・販売の可能性の検討に関する覚書を締結していることから、今後の普及の可能性が期待できるという点で評価できる」としており、全体としては両者に差はないと評価した。

 説明会で再三mmbiが質問したQualcomm社のライセンス契約に関する項目(特にNAP条項関連)については、比較審査の中では特に扱われなかったようだ。

[公開された比較審査に関する資料]