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写真1●仏アルデバラン・ロボティクスの人間型ロボット「NAO」
写真1●仏アルデバラン・ロボティクスの人間型ロボット「NAO」
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写真2●複数のNAOで協調して動作する
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 東京大学は2010年10月13日、仏アルデバラン・ロボティクスが開発・販売する人間型(ヒューマノイド)ロボット「NAO」30台を導入したと発表した。人間を理解し、人間とコミュニケーションするロボット技術の研究開発などに利用する。

 NAOはアルデバランが開発した教育・研究用途の二足歩行ロボット(写真1)。体長58cm、体重5kgで、AMDのx86互換プロセサGeode(500MHz)、超音波センサーや加速度センサー、ジャイロメーターなど約100個のセンサー、25の自由度をもつ本体、音声や形状認識などのアルゴリズムなどで構成する。「聞く」「見る」「しゃべる」「触られたと感じる」「直立歩行する」「障害物を回避する」「起きあがる」といった動作を可能にしている。

 WiFi機能を備えており、複数のNAO同士が協調して動作できる(写真2)。NAOの動作は、アルデバランが開発した独自ソフト「Choregraphe」で定義する。APIを使って、C++やUrbi(オープンソースのロボット向けソフトウエア・プラットフォーム)、PythonなどでNAOを制御することも可能だ。

 東大では東大大学院情報工学研究科 知能機械情報学専攻/工学部機械情報工学科の中村・高野研究室をはじめとする複数の研究室がNAOを導入する。アルデバランが2010年5月に開始した教育パートナーシップ・プログラムに参加する形をとり、アルデバランがプロジェクトの資金を一部援助する。

 同研究室の中村仁彦教授は「2009年12月にアルデバランを訪問した。NAOは研究用途としてはまだ十分でない部分もあるが、教育用としては最も使いやすいと感じた」と導入の理由を話す。中村・高野研究室では、学部3年生を対象とする少人数ゼミで「身体の姿勢や動きの表現の美しさ」を考察・議論するために使うほか、「運動記号と自然言語を結び付ける数理モデルの構築」の研究などに使う予定。

 アルデバランでCEO(最高経営責任者)を務めるブルーノ・メゾニエ氏は、「ロボットは近い将来、生活に不可欠になる」と指摘する。「日本に限らず、欧米や中国、ブラジルなどでも将来的に少子高齢化が進む。高齢者をはじめとする人たちをロボットが支援できれば、介護施設などに入らなくても自立して生活できる期間が長くなる。こうしたニーズが今後、高まるはず」というのが理由だ。それには「ニーズに応えるロボットを開発する実力のある研究機関をもっと増やし、若い世代の研究者を育成することが大切。NAOをそのために生かしてほしい」とメゾニエ氏は話す。

 アルデバランは2005年に設立。30カ国で800台のNAOを販売したという。日本では2009年からアールディが代理店として販売しており、筑波大学などに40台の販売実績がある。