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写真1●電子黒板とタブレットパソコンは、生徒の意欲づけに有効だという
写真1●電子黒板とタブレットパソコンは、生徒の意欲づけに有効だという
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写真2●実証校には1名以上のICT支援員が配備され、生徒や教師の支援を行う
写真2●実証校には1名以上のICT支援員が配備され、生徒や教師の支援を行う
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写真3●「触って操作できるので、家のパソコンより使いやすい」という生徒もいた
写真3●「触って操作できるので、家のパソコンより使いやすい」という生徒もいた
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写真4●生徒の意識を教師に集中させるために、生徒による端末操作を一時的にロックできる
写真4●生徒の意識を教師に集中させるために、生徒による端末操作を一時的にロックできる
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写真5●電子黒板を使った国語の授業。アニメーションで漢字の筆順を確認できる
写真5●電子黒板を使った国語の授業。アニメーションで漢字の筆順を確認できる
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 総務省が実施している「東日本地域におけるICTを利活用した協働教育の推進に関する調査研究に係る請負」(「フューチャースクール推進事業」の実証研究)の実証校の一つである葛飾区立本田小学校で、タブレットパソコンなどを使った授業が始まった。2010年10月13日に報道陣にモデル授業が公開された(関連記事)。

 本田小学校は東京下町の住宅街にあり、10クラス、計285人の生徒が通う標準的な規模の学校である。10月4日にタブレットパソコンの運用を開始した。NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が請負先となっている東日本地域の実証校5校のうち唯一校内LANが未整備だったが、実験実施前に区が整備した。これまでは校内に電子黒板が1台あるだけだったが、実証校として環境整備が行われた結果、各教室に1台の電子黒板と生徒1人につき1台のタブレットパソコン、さらにタブレットパソコンをネットワーク接続するための無線LAN環境が整備された。

 モデル授業では、タブレットパソコン導入から約1週間経過した運用初期段階における授業の様子が公開された(写真1)。最初は4年生の総合学習の授業で、タブレットパソコンを使いタッチタイピングの練習をする様子を見学した。先生の合図でタブレットパソコンを起動しログイン、ワープロソフトを起動するまでを生徒が自分で行った。授業中は実証校各校に1名以上配置された「ICT指導員」が生徒の間を行き来し、パソコンの操作につまずいた生徒や先生の端末操作をサポートしながら、授業をスムーズに進めていた(写真2)。

 前回の授業で学んだ「あいうえお」の入力の応用として、今回は「かきくけこ」と「さしすせそ」のローマ字入力を練習した。最初にワープロソフトを使って各生徒が自分のペースで文字入力を練習した後に、タッチタイピング練習用のソフトを使い入力文字の正確さや速度を測定することで、生徒に飽きさせずにタイピングの練習を続けさせた。最後に「すいか」などこれまでに学習した文字入力で作れる言葉を入力して、45分間の授業は終了した(写真3、4)。

 次に見学したのは2年生の国語の授業で、電子黒板を使って漢字の学習を行った(写真5)。電子黒板に表示される筆順のアニメーションを見ながら反復練習したり、二つに分けられた要素を合わせて漢字を作るゲームを班対抗で競いあったりした。ただし授業のすべてを電子黒板で行うのではなく、書き取りの反復練習では従来の鉛筆とノートを使うなど、各ツールの特性を生かして場面場面で使いやすいものを選んで授業を進めていた。

 今回総合学習のモデル授業を行った鎌田尚子先生は、ICTを活用した授業について「授業での本格的な活用はこれから」と前置きしたうえで「生徒がタブレットパソコンを喜んで使うので、授業の意欲付けに効果が高い」と評価した。また1週間ほど使った感想として「授業で使うためのコンテンツやソフト開発の必要性」や、「生徒が作成したものをプリントアウトなどの形で残せない」「音の出るドリルソフトは生徒が多い教室では利用できない」といった課題も感じたと説明した。

 同校を含む東日本地域の実証校5校は、今後2011年1月下旬までICTを活用した授業を行う。NTTコムは実験の成果を2011年2月をめどに報告書としてまとめる予定である。