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 日本民間放送連盟の会長である広瀬道貞氏(テレビ朝日顧問)は2010年11月5日の「第58回民間放送全国大会」において、最近の録画機能内蔵テレビでCMを自動的に飛ばして再生する機能を宣伝しているものがあることについて、「電波産業会(ARIB)でのテレビ受信機の技術に関する申し合わせに反する疑いがある」と述べた。

 地上放送事業者は、CM放送を収益の柱としている。広瀬氏の今回の発言は、CM自動飛ばし機能を売り物にする家電メーカーをけん制する格好になった。

 アナログ終了後のテレビ事業については、「iPadなどの携帯端末が次々に登場しており、メディア間の競争は新しい局面を迎えた」としたうえで、メディア界におけるテレビの優位性が相対的に低下するのではないか、という見方に疑問を示した。「民放キー局をはじめ多くの放送事業者が、新しい機器の普及を放送事業の領域拡大の好機と見ている。放送番組を新しいデバイスに配信するマルチユースの手法や、放送番組とは違う新しいデバイス向けのコンテンツ制作に乗り出すことも模索している」と放送事業者の積極的な姿勢を示した。

 さらに、「毎日20時間を越える放送時間と向き合って番組を制作したり、選択したうえでほかから調達したりしている。視聴者の獲得をめぐる放送事業者間の競争も厳しいものがある。放送事業者のコンテンツ制作力は日々のこの試練に負うところが多い」としたうえで、「ニューメディアに遅れをとることはないだろう」と自信を見せた。

 2010年10月13日に第176回国会(臨時国会)に再提出された「放送法等の一部を改正する法律案」についても述べた。この改正案に盛り込まれているマスメディア集中排除原則の緩和や、割り当てられた電波の柔軟な活用などの諸施策を「デジタル投資や世界不況で収支が悪化した放送局の経営に資するもの」と評価した。そのうえで、「(この法案は)テレビの完全デジタル化の前に成立・施行されるべきものと私たちは考えており、強く期待している」とした。