PR
写真1●国内販売開始をアナウンスするレッドハットの廣川裕司社長
写真1●国内販売開始をアナウンスするレッドハットの廣川裕司社長
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●RHEL 6の新機能について説明するレッドハットの中井雅也マーケティング本部長
写真2●RHEL 6の新機能について説明するレッドハットの中井雅也マーケティング本部長
[画像のクリックで拡大表示]

 レッドハットは2010年11月16日、同社の企業向け主力サーバーOSの新版「Red Hat Enterprise Linux 6」(RHEL 6)を同日付で販売開始すると発表した(写真1)。前バージョンRHEL 5のリリース(2007年3月)以来、約3年8カ月ぶりのメジャーバージョンアップとなる。

 価格は、2CPUソケットまでの実サーバー機に同OSをインストールでき、その上で動く仮想化ゲストOSとしても同OSを1つインストール可能な「Red Hat Enterprise Linux/1仮想化ゲスト」が9万6800円(税別、以下同)から(1年間のスタンダードサポートを含む)。仮想化ゲストOS数が無制限のライセンスは25万9900円からとなっている。

 追加のソフトウエアとして、クラスタや負荷分散、管理機能などを付加する「アドオン」も販売する。価格は、フェールオーバクラスタ機能(従来のRed Hat Cluster SuiteのHAクラスタ機能に相当)を提供する「High Availability アドオン」が5万1900円から、TCP/UDPトラフィックの負荷分散機能を提供する「Load Balancerアドオン」が2万5900円からなど。

cgroupsによるきめ細かいリソース管理に対応

 RHEL 6がベースとして採用するLinuxカーネルは「2.6.32」。ただし、「カーネル2.6.33や2.6.34の機能も取り込んでおり、純粋なカーネル2.6.32に対して3900個もの拡張を施した」(レッドハットの中井雅也マーケティング本部長、写真2)という。デフォルトのファイルシステムはext4になった(前バージョンのRHEL 5ではext3)。

 最大で4096個までのCPUコア(RHEL 5では192個まで)、64Tバイトまでのメモリー(同1Tバイト)に対応し、より大規模な仮想化やクラウド環境を構築しやすくなった。1ファイルシステムで管理できる最大容量は100Tバイト(GFSまたはXFS使用時、標準のext4使用時は16Tバイト)。

 仮想化関連機能も強化された。目玉となるのがプロセス単位でのリソース管理機能を提供する「cgroups」(Control Groups)だ。cgroupsを利用すると、仮想マシンゲストごとにCPUやメモリー使用量、ネットワークの利用帯域幅などをユーザーのポリシーに基づいてきめ細かく制御できる。

 RHEL 6が標準搭載する仮想化機構KVM(Kernel-based Virtual Machine)では、ゲストOSが動く個々の仮想マシンがホストOSからは別個のユーザープロセスとして見える。このためレッドハットでは、KVMは特にcgroupsとの相性が良いとしている。そのほか仮想化関連では、ネットワークのI/O性能を改善するvhost-net(カーネルモジュール)なども搭載した。

 こうした機能強化の一方で、RHEL 5まで標準で提供していたXenハイパーバイザの搭載は、RHEL 6では打ち切られた。Xenのユーザーは今後、2014年まで提供が予定されているRHEL 5系列を使い続けるか、同社が提供している仮想マシン移行ツールを使ってKVMなどへ乗り換える判断を迫られることになる。