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図1 radikoの位置づけ
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図2 ユーザーのプロフィール
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図3 地上ラジオ放送と聴取者層を比較
図3 地上ラジオ放送と聴取者層を比較
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図4 女性にも広がる傾向も
図4 女性にも広がる傾向も
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図5 端末が広がりより若年層にリーチ
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図6 新しいラジオファン
図6 新しいラジオファン
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図7 視聴シーンは地上波と相補
図7 視聴シーンは地上波と相補
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図8 新たな局の参画とエリアの拡大
図8 新たな局の参画とエリアの拡大
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図9 新しい楽しみ方の提案例(高校野球における実験)
図9 新しい楽しみ方の提案例(高校野球における実験)
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図10 新しい楽しみ方の提案例(SNSとの連携など)
図10 新しい楽しみ方の提案例(SNSとの連携など)
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図11 新たな広告商品の開発に取り組む
図11 新たな広告商品の開発に取り組む
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 IPサイマルラジオ協議会の会員14社は2010年11月25日、IPサイマルラジオの本格実用化を目的に、2010年12月1日に株式会社radiko(本社:東京都港区、資本金は9000万円、電通が17%、在京7局が各8%、在阪の6局が4.5%を出資)を設立すると発表した。

 現在のサービスは、IPサイマル協議会から継承し、継続して新会社で運営する。この本格実用化に合わせて現在の東京・大阪のエリアを拡大する。さらに2011年春までには、東京・大阪の周辺局の参画や、名古屋、福岡、北海道へのエリア拡大を予定している。

 「都心部を中心にした高層建築、モーターなど雑音源の増加によるラジオ聴取環境悪化解消」という環境の整備を経て、新会社では「ネットとの連携による、より魅力ある音声メディア・ラジオの新しい楽しみ方」を提案していくという(図1)。

 配信の地域は、関東地区では、現在の東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県に、茨城県と群馬県、栃木県が加わり、radikoを聴くことが可能になる。参加するのは、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、日経ラジオ社、エフエムインターウェーブ、エフエム東京、J-WAVEである。

 関西地区は、いまの大阪府、京都府、兵庫県、奈良県に、滋賀県と和歌山県が加わる。参加するのは、朝日放送、毎日放送、大阪放送(ラジオ大阪)、関西インターメディア(FM COCOLO)、FM802、エフエム大阪 である。

 設立への経緯について、新会社の社長に就任予定の岩下宏氏(電通から出向予定)は、「現在ラジオ業界は厳しい。1991年に広告売上は2400億円あった。現在は、おそらく半減している。そんな中、IPサイマルラジオ協議会の前身のIPラジオ研究協議会が発足し、大阪府の6局による府内限定、IPv6による1000人限定の実験を行った。昨年協議会に変わり、東京7局が加わり現在の配信実験が始まった。大都市部では、聞こえにくい状態が増加しており、ラジオにとって厳しい環境だが、難聴取対策の切り札になると感じた。もっと本格的に推進しようということになった」と説明した。そこで、配信業務とその運営にかかわるシステムの管理などの業務を、新会社が継承する形になるという(協議会は、新会社の発足後も存続の予定である)。

 この日の発表会では、2010年10月22日から10月31日に行ったアンケートに基づいて、ユーザープロフィールを紹介し、「radikoは、ラジオの新しい聴取シーンを作り出し、新旧のラジオファンに加えて、いままでラジオを聴いていなかった新しい聴取者も獲得している」と主張した(図2~図7)。「地上ラジオ放送の聴取者と比べると、若年・男性が多くなっている」「最近は女性の増加の顕著」「スマートフォン対応でさらに若年層を取り込んでいる」「新しいラジオファンを獲得、旧ラジオファンを再獲得」「音質と難聴取の解消が評価」「地上波よりも夕方・深夜が聞かれており、地上波と聴取シーンを相補」「ほとんどが引き続き利用したいといっている」など報告した。

 最後に「このプロジェクトが立ち行かなくなるときがくるとすれば、それは万人にラジオという媒体が必要なくなったと思われたときしかない。大同団結して、ラジオ業界の復活を目指して進んでいく」(岩下氏)と述べた。

 新会社の業務推進室の室長に就任予定の青木貴博氏が今後の展望を説明した(図8)。radikoについて、新しいラジオの楽しみ方を提案するものとして紹介した。例えば、現在のユーザーインタフェースを「簡単に選べる」もので、radikoの特徴と位置づけた。その上で、今夏の全国高校野球大会のときに行った放送実況番組に連動した対戦状況表示機能の実証実験を紹介した(図9)。ラジオのキラーコンテンツである野球中継も、radikoを活用することで新しい楽しみ方が可能になるという。

 radikoのサイトは、様々なユーザーが集まり、一つのコミュニティを形成する可能性があるとした。ツイッターなど既存のSNSとの連携などを視野に入れて、新しいソーシャルネットワークの構築を目指す(図10)。

 社会貢献などにも意欲を示し、例えば地域活性化プロジェクトにも貢献できるのでは、と述べた。radikoは放送波と同等のエリアに番組を配信するものであり、地域密着型メディアであることにはかわりはないからだ。

 最後に新たな広告商品の開発を挙げた。新法人は、各ラジオ局から徴収する運用費を元にシステムを運用していく。一方で、radikoのサービスの継続には、システム安定化や拡充が欠かせない。このためには運用コストが増加するが、厳しい経営を強いられている放送事業者の負担増を抑えるためにも、コスト増を軽減できるようなスキームが不可欠となる。来年度までにはなんとか連動型広告の逐次開発を進めていくとした(図11)。

 発表会の後、記者からの質問に答える形で、スケジュールなど補足説明した。「年明けから東京・大阪の周辺局、名古屋、福岡、北海道の局に参画の意思を確認していきたいと考えている。多少実験期間が必要なので、参画の意思を表明してからすぐではないので、実際のサービス開始には多少のずれがあるかもしれない」と説明した。

 本格配信に関連して権利処理については、包括契約についてはradikoが担当することになっており、その他の権利処理は各放送事業者が担当すると回答した。

 プラットフォームの信頼性については、インターネットに送出するまでの部分で、信頼を高める工夫を行う。具体的には、各放送事業者から番組を受けてエンコードし送り出す部分までを、現行の1系統から2系統に切り替えて、信頼性を高める。

 収益の確保について、「当初は配信料や入会料でまかなっていく。しかし、放送事業者にとって負担を少しでも軽減できるように、radikoとして独自で挙げられるような収益をいかに確保できるかが課題」と述べた。

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