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写真●米IBMのジャン・ジャックマン グローバルテクノロジーサービス クラウドコンピューティング バイスプレジデント(撮影:皆木 優子)
写真●米IBMのジャン・ジャックマン グローバルテクノロジーサービス クラウドコンピューティング バイスプレジデント(撮影:皆木 優子)
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 「クラウドコンピューティングの利用は、ビジネスに変革をもたらす。IT部門は変革の管理について考え抜かなければならない」---。米IBMのジャン・ジャックマン グローバルテクノロジーサービス クラウドコンピューティング バイスプレジデントは、日経BP社主催のクラウドコンピューティング専門展「日経BP Cloud Days Tokyo 2011 Conference & EXPO」の基調講演で語った。テーマは「クラウド・コンピューティング -今、ビジネス変革のためなすべきこと-」だ。

 講演はクラウドの活用でビジネスや社会を改革した、三つの事例から始まった。一つ目はイタリアのバーリ大学による漁業支援の取り組みだ。漁獲時の魚をリアルタイムに取引して、海上にいる間に出荷までの取引が完了するようにした。

 二つ目はマレーシアの「アニメーション・クラウド」だ。ストレージとデスクトップのクラウド化により、アニメの制作時間を従来の8分の1に短縮した。三つ目は米国における医療機関での取り組みだ。医療情報の蓄積と分析をクラウドで実施することで、看護の質向上と医療費の削減が見込めるという。

 「クラウドは単にコストを削減するだけではない。“ゲームを変えるもの”と考えるべきだ。クラウドを活用してどのように新しいビジネスを生み出すのか、どう売り上げを伸ばすのか、どう既存のビジネスを効率化するのか考えなければならない」。ジャックマンVPは聴衆に訴えかけた。

 クラウドを使ってビジネスを変革する---。ここでIT部門がすべきことは「変革の管理を考え抜くこと」とした。ビジネスが変わると、組織全体の挙動も変わるからだ。「例えば、クラウドの利用でIT管理のプロセスが変わるかもしれない。IT担当者のなかには20年間、同じプロセスで仕事をしてきた人もいる。そうした人を再トレーニングする必要がある」。IT部門は全体に目を配り、変革の影響を管理してスムーズなビジネス変革を支援する。

 また、クラウドへ移行できるワークロード(業務プロセス)の見極めも重要という。「できるだけ多くのワークロードをクラウドへ移行した方が効率がいい。例えば業界で共通の業務などは移行しやすいだろう。各企業が個別のワークロードでシステムを作るのはとても効率が悪い」。企業の大きさやデータの重要性などを見極めながら、どうクラウドを活用するのか考えていくべきとした。