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 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)は現地時間2011年3月2日、電子書籍の価格を巡って反競争行為の疑いがあったとして欧州の複数の出版社を家宅捜索したと発表した。出版社の具体的な名前や国名は明らかにしていないが、関係企業が価格カルテルや関連の商慣行を禁じる欧州連合の競争法に違反した疑いがあるとしている。

 米メディア(Wall street Journal)は、少なくともフランスの出版社2社が家宅捜索を受けたと報じている。電子書籍の価格設定をめぐる同様の調査は英国や米国でも進められているが、反競争行為に最も厳しく、高額な制裁金を科すことで知られる欧州委員会が調査に乗り出したことの意味は大きいという。

 米国や英国の大手出版社は、電子書籍について、小売業者が自由に価格を決められる「卸売りモデル」ではなく、出版社が価格を決め、小売業者が収益の一部を手数料として受け取る「エージェンシーモデル」を採用することがあり、欧州でもこうした取引は一般的。欧州委員会は今回このエージェンシーモデルが適切に行われたかどうかを調査しているとWall street Journalは伝えている(関連記事:AppleとAmazonを電子書籍市場の競争阻害で調査、コネチカット州司法当局)。

 なお欧州委員会は、調査には法的な期限はなく、その期間は個々の状況の複雑性や各企業の協力姿勢など、さまざまな要素で変わってくるとしている。

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