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写真●米アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)のアンディ・ジャシー上級副社長(撮影:中根 祥文)
写真●米アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)のアンディ・ジャシー上級副社長(撮影:中根 祥文)
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 「薄利多売を追求する手腕がないITベンダーが、今後アマゾンのクラウドサービスにどう対抗してくるのか」。日経BP社主催のクラウドコンピューティング専門展「日経BP Cloud Days Tokyo 2011 Conference & EXPO」の講演において、米アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)のアンディ・ジャシー上級副社長(写真)は、小売業としての社是が同社の競争力の源泉と語った。

 「New World of IT」と題した講演の冒頭でジャシー上級副社長は、仮想マシンや仮想ストレージなどのITリソース販売を始めた経緯を説明。ECサイトのアマゾン・ドット・コムの運営に必要だった拡張性のあるITインフラの整備と、ECサイトの商品をユーザーが紹介するアフィリエイト販売に端を発したAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)提供が、現在のAWSが実現した「新しいIT」の出発点とした。

 30年来続いてきた「古いIT」では、予測不能な負荷を見越した過剰な初期投資、顧客のIT予算の上限に合わせたITベンダーとの商談、1カ月以上かかるサーバー調達と「顧客が競争優位に立つための基盤になり得ない」とジャシー上級副社長は言う。これに対しAWSのような「新しいIT」では、従量課金による変動費化、システム負荷に応じた柔軟なITリソースの追加と削減とその自動化などを実現でき、「限られた人員をITインフラの煩雑な管理から解き放ち、企業の差異化につながる事業に開発リソースを投じられる」とした。

 ジャシー上級副社長は、講演前日の深夜に開始した国内データセンターでのサービス提供(関連記事)にも言及。海外データセンターでは不可能だった数ミリ秒台の伝送遅延、法的リスクの回避、日本語によるサポートサービスなどを実現できるとした。

 講演の最後にジャシー上級副社長は、クラウド選択のポイントとしてAWSの強みを再度説明。24時間365日サービスを継続する実績、OSやプログラム言語を問わない柔軟性、顧客の声を反映した素早いサービス改善、継続的な料金の値下げなどを指標にサービスを選択すべきとした。「粗利が7~8割あるコスト構造は、ITベンダーの企業戦略としては妥当だ。しかし顧客第一の考え方ではない。AWSは、今後もコスト削減の効果を顧客に還元し続ける」と社是を強調し、講演を締めくくった。