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写真●日本コカ・コーラの江端浩人iマーケティング バイスプレジデント兼ジョージアIMCリーダー
写真●日本コカ・コーラの江端浩人iマーケティング バイスプレジデント兼ジョージアIMCリーダー
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 「ソーシャルネットの広がりで、マーケティングで重要なものがインプレッション(印象)からエクスプレッション(表現)に変わった。スマートフォンの普及がそれを加速している」。日本コカ・コーラの江端浩人iマーケティング バイスプレジデント兼ジョージアIMCリーダーは2011年4月19日、「ビジネススマートフォン カンファレンス 2011」の基調講演で最新のマーケティング事情を語った(写真)。

 江端氏は、既存メディアの影響力が低下する一方、ソーシャルメディアの普及などでインターネットを使った消費者同士のつながりが強まっていると指摘する。「YouTubeにアップされている動画を分析したところ、昨年1年間でコカ・コーラ関連の動画は約1億4600万回見られていた。そのうち、コカ・コーラ社自身が作った動画の視聴数は約2600万回。約1億2000万回は消費者が作った動画の視聴数だった」。

 消費者が自らの表現として動画を製作し、ソーシャルメディアを通じて消費者間で情報が拡散していく---。情報の流れと、それに対する消費者の関わり方が変わっているのだ。こうした時代の変化に合わせ、日本コカ・コーラもマーケティング戦略を変えている。

 1980年代は大きな一つの施策を消費者に投げていた。90年代からは属性ごとにセグメンテーションするようになった。2000年になると、もっと細かいセグメンテーションが必要になった。ソーシャルメディアが広がってきてからは、「我々がメッセージを一方的に出すだけではなく、消費者同士のメッセージの交換を支援する方向になっている。スマートフォンは情報を受けることも発信することもできる。一人ひとりがメディアであると認識している」と江端氏は言う。

 こうした日本コカ・コーラの取り組みの一つがWebサイト「コカ・コーラ パーク」である。従来はブランド別に商品サイトを作っていたが、自社商品を横断して閲覧できるようにこのポータルに集約した。サイト内にコミュニティ機能を付けたり、外部のソーシャルメディアと連携するなど消費者参加型の取り組みを進めている。その一方で、既存メディアや大手ポータルサイトとの連携にも活用し、様々なメディアをミックスしてプロモーションを仕掛ける工夫をしているという。

 江端バイスプレジデントは「消費者は色々なメディアを見ている。例えば、ヤフーの急上昇ワードはテレビで放映されたものである場合が多い。検索だけでなく、ソーシャルメディアでの拡散もあるだろう。そうした前提で、すべてのメディアを有機的に活用する」と説明した。

 ソーシャルメディアの活用や、異なるメディアをミックスしたプロモーションでは過去にない取り組みが増える。日本コカ・コーラではグーグルがイノベーションを生み出すために採用している「70-20-10」の原則を生かして、マーケティング活動への投資を決定しているという。「70%はうまくいくと分かっている、安心してお金や時間を使えるものに投資する。20%は既存だが先進的なこと、10%は全く今までやったことないことにお金を使う。10%の分は失敗してもしょうがないと割り切る」。

 加えて、もう一つ心がけていることがあると言う。「複数の案がある場合は『どちらもやる』。今までは『どちらかやる』だった。実地で実験しながら進めていく」。

 今後はさらにスマートフォンへの取り組みを強化する。一つはWebサイトの再構築。なるべくFlashを使わず、HTML5ベースのWebサイトに変えていくという。5月下旬には企業サイトをスマートフォン対応に刷新する予定だ。