ヤフーは2011年4月22日、2011年3月期の決算を発表した。通期の売上高は前年度比4.5%増の2924億円、営業利益は同11.0%増の1596億円、経常利益は同11.8%増の1602億円、純利益は同10.4%増の921億円。14期連続で売上高、利益が過去最高を更新した。
東日本大震災の影響により、広告の取り下げやYahoo!ショッピングの物流停滞、被災地ユーザーへのYahoo!ウォレットの請求停止を実施した。2011年1~3月期は当初見込みの売上高に比べて20億円弱落ち込んだ。井上雅博社長(写真)は「4月以降、徐々に震災の影響から脱する」と予想する。被災地域への影響はしばらく続くが、その他の地域の消費や広告は戻ってくるとの見通しだ。
事業セグメント別の売上高は、広告を中心としたメディア事業が前年度比7.8%増の1102億円、企業向けサービスのBS事業が同7.5%増の767億円、通販やゲームなどのコンシューマ事業が同0.4%減の1049億円だった。メディア事業、BS事業ともに広告売上の拡大が寄与した。
2011年4月以降の業績予想は「事業環境に不透明な点が多い」(井上社長)として、4~6月期の予想のみにとどまった。2011年4~6月期の予想売上高は704億~739億円、予想営業利益は373億~396億円、予想経常利益は377億~400億円、予想純利益は222億~236億円。
ヤフーでは福島県白河市に新しいデータセンターの建設を進めていたが、震災・原発事故の影響で一旦中断しているという(関連記事:ヤフーが新データセンター、年間11カ月の外気空調でPUEは「1.2以下」)。当初計画では2012年3月末竣工予定だったが、来年度以降にずれ込みそうだ。