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写真1●NFCアプリに関心を持つ人が集まったあんざいゆき氏の講演
写真1●NFCアプリに関心を持つ人が集まったあんざいゆき氏の講演
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写真2●あんざい氏の代表アプリの一つが「Suica Reader」
写真2●あんざい氏の代表アプリの一つが「Suica Reader」
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 2011年4月28日の「スマートフォン2011春」の講演で、NFC(近距離無線通信)をテーマに講演したのは、日本Androidの会女子部のあんざいゆき氏(写真1)。あんざい氏は、NFC対応端末を利用してICカード上のデータを読む「Suica Reader」(関連記事)などの作者として知られる(写真2)。今回の講演は、アプリ開発者の視点でNFCの動向をとらえたもの。NFC活用アプリに関心がある人が多数集まった。

 今でこそ複数のNFC活用アプリを開発済みのあんざい氏だが、実は「Android 2.3が登場するまで、NFCは知らなかった」という。2010年末にAndroid 2.3が登場、詳しく調べているうちに、その主要機能の一つであるNFCに注目したのだ。

 ただ、当初のAndroid 2.3(API Level9)では「大したことができなかった」(あんざい氏)と落胆したようだ。具体的には、NFC規格が定めるNDEF(NFC Data Exchange Format)形式のデータフォーマットしか読み込むことができず、SuicaなどのICカードをNFC対応のスマートフォンにかざしても反応はするものの、データを読み込むことができない。そこでSuicaリーダーでは、止むを得ず非公開APIを活用してデータを読むことにした。

 その後、2011年3月に登場したAndroid 2.3.3(API Level10)では、「標準APIとして、FeliCa用のコマンドなども含めて、カードコマンドなどのバイトデータのやりとりも可能になった」(あんざい氏)。これにより、非公開APIを活用せずに、ICカードを読み取ることができるようになる。

 さらに、端末がタグとして振る舞えるようになり、端末上のデータを別の端末から読み込める。加えて複数のデータを1個にまとめて送ることができるため、「テキスト情報とURL、vCard」をひとまとめのデータとして相手に伝えることもできるようになった。

 Android 2.3.3の登場で活用領域が広がったNFCだが、実はNFCが実装されている端末は現時点でNexus Sしかない。その台数比率は「1.5%程度」(あんざい氏)という。今後登場する「GALAXY S II」については「発表時点ではNFC対応と言われていたが、国によって実装が違うらしい」(同氏)とされる。

 このほか、現時点では、端末内で決済情報を扱う「セキュアエレメント」のAPIに対応していないことから、現時点で決済用には使えないことが報告された。ただし、「決済の直前まで飛ばして、別の方法に引き継ぐことが提案されている」(あんざい氏)という。米グーグルが進めている実証事件で、NFC対応装置を店頭に置き端末をかざすことで「Google Checkout」に誘導する。グーグルは、サンフランシスコとニューヨークで実証実験している。

 講演の終盤には、NFCを利用したサービスとして考えられるアイデアを紹介した。例えば、URL情報にひも付けしたタグを読み込ませることで目的のWebサイトに誘導する「スマートポスター」と、それをSNSと組み合わせた「ロケーションSNS」、赤外線通信の代わりに使う「連絡先交換」、美術館などで音声解説に使う「音声ガイダンス」、娯楽施設など限定した場所で使える「ポイントカード」、使い方などを紹介するページに誘導する「家電・おもちゃ連携」などである。

 最後に、インテントやGPS、カメラなどスマートフォンならではのキーワードを挙げ、これらとNFCを組み合わせたサービスが注目だとまとめた。