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 SAPジャパンは2011年6月1日、スマートフォンなどのモバイル機器向けの開発環境である「Sybase Unwired Platform」の新版「2.0」と、モバイル機器とSAPのアプリケーションを連携するためのミドルウエア「SAP NetWeaver Gateway」を発表した。Sybase Unwired Platform 2.0は同日から、SAP NetWeaver Gatewayは6月中に出荷を始める。

 SAPジャパンの馬場渉リアルタイムコンピューティング推進本部長は両製品について、「現在は分断している企業向けとモバイル向けの開発をつなぐ役割を果たす」と説明する。

 Sybase Unwired Platform 2.0は、「モバイル向けアプリケーションの開発生産性向上を支援する製品」と馬場本部長は説明する。米アップルのiOSや米グーグルのAndroid、加リサーチ・イン・モーションのBlackBerryといった、OSや機種の違いを問わずにアプリケーションを開発できることが特徴だ。HTML5やJavaScript、CSSなどのWebアプリケーション開発環境をサポートしている。

 SAP NetWeaver Gatewayは、「既存のSAPアプリケーションとモバイル向けアプリケーションとの連携を支援する」(馬場本部長)ミドルウエアだ。ERP(統合基幹業務システム)パッケージといったSAPのアプリケーションを操作するモバイルアプリケーションを開発したい場合に利用する。

 モバイル開発者向けにWebサービスのAPIとして一般的な「REST」や、データアクセス用のプロトコルの「OData」をサポートしている。そのため「ABAPやJavaのような企業向けシステムの開発言語を知らない開発者やデザイナーでも、SAPのアプリケーションと連携するモバイル向けアプリケーションを開発できる」(馬場本部長)という。

 Sybase Unwired Platform 2.0、SAP NetWeaver Gatewayの価格は現時点では「非公表」(馬場本部長)だ。馬場本部長は「これまでのSAP製品と異なり、扱うデータ量や開発するアプリケーションの数によって価格が決まることになる」と説明する。

2015年までにユーザー数を10億人に

写真●SAPジャパンのギャレット・イルグ社長
写真●SAPジャパンのギャレット・イルグ社長
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 Sybase Unwired Platform 2.0、SAP NetWeaver Gatewayはいずれも、5月16~18日に米オーランドで開催した年次カンファレンス「SAPPHIRE Now」で独SAPが発表した。モバイル関連の新製品発表のほかに、インメモリーデータベース「SAP HANA」の顧客事例の紹介などがあったという。SAPジャパンのギャレット・イルグ社長(写真)は「モバイル、インメモリー、クラウドという三つの技術的なイノベーションに注力する当社の戦略は非常にユニークだ」と強調した。

 SAPジャパンは2010年から、15年までにユーザー数を10億人にすることを掲げ、リアルタイム環境の実現に力を入れている。どのような環境でもアプリケーションを利用できるようにするためモバイル向けの開発環境の充実に力を入れるほか、データ活用の高速化のためにSAP HANAなどの提供を始めた。

 海外では中小企業向けにERPをSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供する「SAP Business ByDesign」の提供などクラウドコンピューティングにも力を入れている。SAP Business ByDesignの日本での提供は、早くても2012年中とみられる。イルグ社長は「日本ではミッションクリティカルシステムをクラウドで利用する需要はまだ本格的ではないとみている。市場の状況を検討しながら、提供を検討する」とした。