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写真●日本仮想化技術 代表取締役社長兼CEOの宮原徹氏(撮影:平瀬 拓)
写真●日本仮想化技術 代表取締役社長兼CEOの宮原徹氏(撮影:平瀬 拓)
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 「仮想化技術は、BCP(Business Continuity Plan)対策にも有効だ。その第一歩は、仮想マシンを動的に別の物理マシンに移す技術である“ライブマイグレーション”を使って、無停止運用ができる環境を構築することだ」。2011年6月1日、都内で開催された「ユーザーのための仮想化フォーラム2011 ~確かなプライベートクラウド構築のために~」の特別講演「BCP対策にも有効、仮想化技術の再入門」で、日本仮想化技術の代表取締役社長 兼 CEOである宮原徹氏はこのように述べた(写真)。

 宮原氏は2006年に同社を設立。以来、仮想化技術の調査や開発、ユーザー企業向けに仮想化技術の導入コンサルティングなどを手掛けている。「ライブマイグレーション機能はここ数年で、主要な仮想化ソフトの基本機能になってきて、利用しやすくなっている」。宮原氏は、第一歩として取り組むメリットをこう説明する。

 仮想化技術がBCP対策に有効だとする理由を、宮原氏は「仮想マシンを丸ごとコピーすることでバックアップがとれるし、他の物理マシンに移す可搬性にも優れている。また、物理サーバーに比べてクラスタ化も容易で可用性を高めやすい」と話す。

 その一方で、「仮想マシンのコピーによるバックアップがすべてのシステムに適しているとは限らない」とも指摘した。仮想マシンのコピーは、ディスク上のファイルが対象で、メモリー上に展開されたデータは対象外だからだ。そのため、メモリー上のデータがすぐにディスクに反映されないRDBMSを稼働させた仮想マシンの場合、コピーをとっても、最新の状態になっているとは限らない。「RDBMSが備えるバックアップユーティリティを使ってメモリー上のデータをディスクに反映させてから、バックアップをとるという従来の手法を採用したほうがよい」(宮原氏)。

 仮想化技術がBCP対策に役立つのは、サーバーだけにとどまらない。「計画停電などの影響で会社に社員が出勤できない状況や、電力を確保できるエリアに一時的に業務の拠点を移すといったときの備えとして、デスクトップ仮想化であるVDI(Virtual Desktop Infrastructure)が有効だ」(宮原氏)という。ただ「現状では導入コストが割高だということもあり、本格導入には至っていない。大規模ではないものの社内でもクリティカルな業務に先行導入していくという動きが出てくるだろう」と、宮原氏はみている。

 宮原氏はこのほか、BCP対策を考える上でストレージが重要であることや、BCP対策を進める方向性の見極め方にも言及した。データを喪失すると事業が立ち行かなくなるため、ストレージは欠かせない。宮原氏が言及したのは、ストレージを選定する観点について。これまでは容量と処理速度の二つが中心だったが、宮原氏は「最近では耐障害性も観点に含まれるようになってきた」と指摘する。「遠隔地に設置したストレージにレプリケーションをしてデータを確実に保護する。そのためにDRサイトの検討も視野に入れておくとよい」とアドバイスする。

 また、BCP対策の方向性について宮原氏は「BCP対策はこれまで、コストがかかることから、多くの企業で置き去りにされてきたテーマだ」と振り返る。「実際に講じるべきBCP対策は、バックアップ環境の整備や二重化の推進、遠隔地でのデータ保存と広範囲にわたる。自社で守るべきものは何かをまず見極めて、優先順位をつけてから施策を講じていく必要がある」と指摘する。