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写真●IBMのグルラジ・ラオ氏(システム&テクノロジー・グループ システム・チーフ・エンジニア、IBMフェロー)
写真●IBMのグルラジ・ラオ氏(システム&テクノロジー・グループ システム・チーフ・エンジニア、IBMフェロー)
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 「ビジネスで成功している企業は、ITインフラに新しい考え方を採り入れている」。米IBMのグルラジ・ラオ氏(システム&テクノロジー・グループ システム・チーフ・エンジニア)はこう語る。ラオ氏は企業向けシステム技術の責任者。全IBMで約70人いる「フェロー」職の一人だ。フェローは同社における技術者の最高職位である。ラオ氏は2011年6月2日、日本の技術記者向けに今後のITインフラのあり方について、自身の見解を解説した。

 IBMは「スマーター・コンピューティング(Smarter Computing)」というITインフラのコンセプトを提案している。スマーター・コンピューティングとは大まかに言えば、「ビッグデータ」と呼ぶ大量のデータ処理を前提としたクラウド型のシステム・アーキテクチャのこと。サーバーやストレージといったインフラリソースを適正に利用するためのワークロード管理を重視している。

 ラオ氏は「海外の企業や組織は、スマーター・コンピューティングの考え方に基づいた様々なプロジェクトに取り組んでいる」と話す。病院のICU(集中治療室)にいる未熟児の生体データをモニタリングして異変が起きる前に対処できるようにする、漁師が舟の上からその日の収穫を店や市場に販売する仕組みを構築する、半導体メーカーにおけるマスターデータ管理を効率化する、といったIBMのいくつかのユーザー事例を紹介。「大量のデータ処理と最適なワークロード管理が可能なクラウド型のITインフラがあるからこそ、これらの仕組みは実現した」(ラオ氏)。

 企業においては、IT予算のうちシステム運用コストが7~8割を占めると言われている。ラオ氏はこうした現状を踏まえつつ、「IT部門が(ようやく)コストセンターではなくなってきた」と語る。ある病院ではRFIDを使った新しい患者向け情報システムを計画した。データが爆発的に増えるためシステムインフラに大量の新規投資が必要になると予想されていたが、最適なワークロード管理ができるインフラに切り替えたところ、新システム用の投資額の幅を減らすことができたという。「新しいITインフラを導入することで、効率化と新しい価値の創出が両立できるようになった」(ラオ氏)。