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 日本民間放送連盟(会長:テレビ朝日顧問の広瀬道貞氏)は、2011年6月20日に行われた総務省 情報通信行政・郵政行政審議会による「大臣裁定」答申(関連記事)に対する会長コメントを発表した。

 山口ケーブルビジョンからの申請について、民放テレビ事業者は区域外再送信に同意しなければならない旨が答申された。この件について、会長コメントでは「無秩序な区域外再送信が容認されたことは極めて遺憾」と述べた。

 民放連は、この事案について二つの問題があると主張した。「再送信先に同じ民放テレビ系列のチャンネルがあるにもかかわらず隣接地域の同じ系列のチャンネル(重複波)の再送信を強引に求めたこと」と、「5波目(テレビ東京系列)の再送信に関して民民協議ではなく裁定によって強制的に再送信を実現しようとしたこと」である。

 「無秩序な区域外再送信は到底容認できるものではない」としており、民放連は答申の内容を精査したうえで、関係する放送事業者と相談しながら、法的措置も含めて今後の対応を検討するとした。

 なお、高知県の事案については、区域外再送信に同意しない「正当な理由」があるという民放側の主張が認められた。民放連は、「放送の地域性に係る意図に関する当該事業者の主張を認めた妥当な判断であるとともに、大臣裁定申請に対する初めての不同意答申であり評価する」とした。

 民放連は、従来から放送法に基づく「地域免許制度」と有線テレビジョン放送法に基づく「大臣裁定制度」に、重大な不整合があると指摘していた。今回の会長コメントでは、「有線テレビジョン放送法を廃止して新放送法に統合するにあたり、有線テレビジョン放送法のみに依拠した「再送信に関する行政指針」について十分な吟味のないまま、不整合が新法にそのまま引き継がれてしまったことは、合理性や適切さを著しく欠いている」と主張した。

 行政は両制度の不整合を速やかに解消するとともに、「あっせん・仲裁」という新たな紛争処理制度の活用を促すことを含め、民間同士の協議が基本であることを改めて確認すべきだと述べた。また、今回の事案において、重要な利害関係者である再送信先の地元民放テレビ事業者からの意見聴取が行われなかったことは極めて遺憾とし、新たな紛争処理手続きにおいては地元局の意見を必ず聴取することを求めた。

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