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写真●オリンパス コーポレートセンターの北村正仁IT本部長(撮影:皆木 優子)
写真●オリンパス コーポレートセンターの北村正仁IT本部長(撮影:皆木 優子)
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 「インフラの最適化を追求した結果、社内クラウドを構築することになった。ITコストの削減だけでなく、セキュリティを始めとしたガバナンスの強化など、確実に成果が出ている」---。

 オリンパス コーポレートセンターの北村正仁IT本部長は2011年7月26日、日経BP社主催の「日経BP Cloud Days Tokyo 2011 SUMMER CONFERENCE」の基調講演に登壇。オリンパスの社内クラウド実現に向けた取り組みについて講演した。オリンパスは、クラウドコンピューティングの先進ユーザーの表彰制度である「Cloud Innovation Award」の第1回の受賞企業の1社である。

 オリンパスは社内クラウドの構築によって、物理的なサーバー台数を10分の1程度に減らしたほか、ユーザー部門のサーバー導入期間を従来の45日から3日に短縮するといった具体的な効果を得ている。北村本部長は「セキュリティやBCP(事業継続計画)の観点からも、以前と比べて向上している」と強調する。

 現在は、2009年4月に開設した社内のデータセンターにサーバーを集約。仮想化を利用してサーバーを統合する一方で、社内のユーザーが利用しやすいように申請システムを整備した。ユーザーがOSやCPU、サービスレベル、などの必要項目を選ぶだけでインフラが提供できる仕組みを2010年4月から実現している。

 オリンパスが社内クラウドの構築に着手したのは、ERP(統合基幹業務システム)パッケージの導入が一段落した2006年のことだ。「インフラの最適化プロジェクトとしてスタートした。社内のサーバーを見える化することが第一歩だった」と北村本部長は振り返る。オリンパスは各事業部門や工場、営業所などにシステム部門があり、各システム部門が必要に応じてサーバーを調達していた。そのため、社内にサーバーが散在し、本部のIT部門がサーバーの台数を把握できないといった問題を抱えていた。

 北村本部長は社内クラウドの成果が出ている理由について、サービスレベルに応じたサーバーの分類、仮想化による統合、そして「サービスメニューの作成がカギになった」と話す。「社内クラウドサービスとして社内ユーザーに訴求できた」(北村本部長)からだ。

 北村本部長は、「社内クラウドという言葉は、経営陣やユーザーなど社内の心をつかむためにマーケティング用語として利用した」と強調する。「クラウドという言葉は雲をつかむように実態が分かりにくい。当社の社内クラウドは、クラウドの利用方法として適切でないという考えもあるかもしれない。だがインフラの最適化といっても、社内で理解を得るのは難しく、注目を浴びている言葉としてクラウドを利用することにした」(北村本部長)という。

 ユーザーにアンケートをとった結果、70%以上が現在の社内クラウドについて満足している。北村本部長は今後の展開として、大規模データベースのサービスを提供できるようにするといったメニューの構築や、東日本大震災を受けたDR(ディザスタリカバリー)サイトの構築といった取り組みを挙げた。