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 金融庁は2011年8月25日、企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議を開催した。6月30日の審議会(関連記事:IFRS強制適用に賛否両論---企業会計審議会総会報告)に続き、IFRS(国際会計基準)そのものを日本の会計基準として採用する強制適用(アドプション)について2時間にわたり議論した。

 審議会では金融庁が「今後の議論・検討の進め方(案)」を提案。今後考慮すべき論点として、「我が国の会計基準・開示制度全体のあり方」など11項目を委員に示した。議論では前回と同様、各委員がそれぞれ意見を述べるにとどまり、明確な方向性を打ち出さないまま終了した。

 冒頭、自見庄三郎金融担当大臣が挨拶。「(会計の)技術論だけではなく、非上場企業や中小企業、税法や会社法、金融市場の認識、国際情勢などを踏まえて、国益を考慮しながら日本経済が元気になるように議論してほしい」と話した。前回と同様に、自見大臣は審議会の最後まで参加した。

 次いで金融庁が「会計基準をめぐる最近の国際動向について」を説明。IFRSを策定するIASB(国際会計基準審議会)とFASB(米国財務会計基準審議会)が進めているコンバージェンスプロジェクトやIASBの作業計画などについて報告した。IASBの動きについては、「リサイクリング(利益の振替処理)について特別の論点として切り離したことに日本として興味を持っている」とした。

 今後の議論・検討の進め方では、現時点で検討が必要である主要な項目として、我が国の会計基準・開示制度全体のあり方のほかに、以下の10項目を挙げた。「諸外国の情勢・外交方針と国際要請の分析」「経済活動に資する会計のあり方」「原則主義のもたらす影響」「規制環境(産業規制、公共調達規則)、契約環境等への影響」「非上場企業・中小企業への影響、対応のあり方」「投資家と企業とのコミュニケーション」「監査法人における対応」「任意適用の検証」「ASBJ(企業会計基準委員会)のあり方」「IASBのガバナンス」である。

 今後の議論は、「IFRSの強制適用の対象としている上場企業だけでなく非上場企業や中小企業を含めた多様な企業の経済活動や、税法・会社法・各種規制などの周辺の制度、金融・資本市場などに与える影響を認識して進める」ように提言。このほか、実際の視察などを通じて海外の動向を把握し、「今後の金融・資本市場や会計基準がどうあるべきかのグランドデザインを形成することが重要」として、「予断を持たず実態・現実に即して議論・検討をすすめていくことが適当である」との案を示した。