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 米国の調査会社IHS iSuppliは現地時間2011年9月30日、米Amazon.comが同月28日に発表したタブレット端末「Kindle Fire」について、推定製造原価が209.63ドルになるとする分析結果を公表した。Kindle Fireの直販価格は199ドル。米Appleの「iPad」の廉価モデル(499ドル)の半値以下の設定で価格競争力はあるが、Amazonは同端末を1台売るごとに約10ドル以上の損失を出すとIHS iSuppliは見ている。

 Kindle FireのBOM(Bill of Material:部品表)に基づいた部品原価の合計は191.65ドル。これに製造コストの17.98ドルを加えると製造原価が209.63ドルになる。部品原価の内訳を見ると、ディスプレイおよびタッチスクリーンが計87ドルと最も高く、次いでメモリーおよびアプリケーションプロセッサなどの主要LSI部品の合計が70.40ドル、バッテリーが18.25ドルなどとなっている。

 IHS iSuppliは、製造原価以外の費用と、同端末を介して販売されるデジタルコンテンツの売り上げを考慮すると、AmazonはKindle Fireを1台販売するごとに10ドル程度の利益を出すことが可能と推測し、極端に薄利のビジネスモデルだとしている。

 ただし、AmazonにはKindle Fireを普及させることで、同社の主力事業であるECサイトの売り上げ向上を目指すというより大きな目標があり、非常に特殊なビジネスだとも指摘している。IHS iSuppliの分解解析サービス部門主席アナリストのAndrew Rassweiler氏は、「ほかのどの端末メーカーもAmazonのような大規模な小売り事業を持っていない。一方、ほかのどの小売業者も自社の取扱商品に特化した端末を持っていない」とし、iPadの半値以下という価格設定、電子書籍端末の高機能版という要素を考慮すると、Kindle FireはiPadに次ぐヒット商品になる可能性があると予測している(関連記事:Amazon.comの新タブレット端末「Kindle Fire」、ストリーミング再生対応で199ドル)。

[IHS iSuppliの発表資料]