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 イー・アクセスは2011年10月3日、700/900MHz帯の割り当てに関する記者発表会を開催した。会見では、同日に総務省へ提出した900MHz帯の開設指針に関する要望書についての説明を行ったうえで(関連記事)、周波数割り当てに関する識者を交えてのパネルディスカッションを実施した。

 要望書の説明でイー・アクセス代表取締役社長のエリック・ガン氏は、「競争促進の観点からバランスを考えて900MHz帯は、4社目の携帯電話事業者である当社に割り当ててほしい」と訴えた。

 続く「通信競争政策に関する公開パネルディスカッション」では、エリック・ガン氏と同社代表取締役会長の千本倖夫氏のほか、ゲストとして、インターネット総合研究所 代表取締役所長の藤原洋氏、慶応義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授の夏野剛氏、慶応義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授の岸博幸氏が参加した。モデレータは、MM総研 代表取締役所長の中島洋氏が務めた(写真1)。

写真1●パネルディスカッションの様子
写真1●パネルディスカッションの様子
左から、イー・アクセス代表取締役社長のエリック・ガン氏、同社代表取締役会長の千本倖夫氏、慶応義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授の岸博幸氏、慶応義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授の夏野剛氏、インターネット総合研究所 代表取締役所長の藤原洋氏、モデレータを務めたMM総研 代表取締役所長の中島洋氏。
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オークションしたら数兆円、その価値を生む事業者を選ぶべき

 700/900MHz帯の割り当てに関連するパネルディスカッションのテーマとしては、「700/900MHz帯の割り当て基準」や各社が導入システムとして提案する「LTE」が挙がった。

 まず、「700/900MHz帯の割り当て基準」というテーマで藤原氏は、「これまでがどうとかでなく、市場を活性化できるかどうかに尽きる。本当に必要という熱い起業家精神があることを基準にすべき」と述べ、岸氏も「端的に言えば競争促進できるかどうかだ」と続けた。さらに岸氏は、「仮に900MHz帯をオークションにかければ数兆円になり、復興財源になる。今回はオークションを実施しないなら、その割り当てを受けた事業者が新たなイノベーションを起こし、オークション代金相当の経済貢献を生み出せるかを基準にすべき」と提言した。

 一方、夏野氏は「携帯電話事業者4社は900MHz帯をHSPAやLTEで使いたいと言っているが、本音で議論すべきだ」と指摘する。「今の3G(用の周波数帯)もいずれLTEに使うだろうし、それなら既存の周波数帯も含めてこうサービス展開するとか、エリアカバレッジをこう広げるとかを提案してほしい。ソフトバンクモバイルが900MHz帯が欲しくて仕方ないのは、2GHz帯で電波が届かないから3Gとして使いたいからだろう。そもそもNTTドコモやKDDIは800MHz帯を持っているが、これは2Gで割り当てられたものを3Gとして使っているという経緯もある。こうした点を含めてもっと本音の議論をしてほしい」と注文を付けた。

 この夏野氏の発言に対して千本氏は、「確かにソフトバンクモバイルはiPhoneのトラフィック対策で、周波数が足りないから欲しい、既存の3Gの延長線上の技術で使いたいのだと言われている。しかし我々は明確に違う。総務省の言う世界最先端のワイヤレスブロードバンドを実現するために、すべてLTEで導入する。ここはソフトバンクモバイルと明確に対立した概念になっている」と反論した。

LTEで世界最先端のモバイルの使い方を示せ

 次の「LTE」というテーマでは、藤原氏は「LTEで世界から日本に期待されているのは、世界最先端のモバイルインフラの使い方を示してほしいということだ。消費者もシビアだし日本のサービス品質は高い。LTEを真剣に進めてインフラを作り、最先端のサービス開発に集中すべき」と述べた。

 岸氏も同様に、「モバイルは日本の数少ない世界最先端の分野。事業者がLTEを世界最先端と判断するならば、これを進めて数少ない世界最先端を維持すべきだし、維持すれば新しいサービスが出てくる」と述べた。

 それに対して夏野氏は、「LTEが出たって何も変わらない。どんなアプリが出てくるかがよっぽど大事。2Gから3Gへの移行で理解したはずなのに、また忘れてしまっている」と指摘した。