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講演をするアラクサラネットワークスの新 善文氏。撮影:細谷 陽二郎
講演をするアラクサラネットワークスの新 善文氏。撮影:細谷 陽二郎
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 2011年10月12日、ITpro EXPO 2011の主催者企画「IPアドレス枯渇対策ワークショップ」において、アラクサラネットワークスの新 善文氏が、IPv6時代を迎えたインターネットの歴史と今後について講演した。

 新氏はこれまでのインターネットの変化について言及。インターネットは通信事業者からサービスとして導入するものになり、サーバー類はインターネットデータセンターに置き、仮想ホストやクラウドサービスを利用するようになってきているとした。かつては、7階層のOSI参照モデルで理解されてきたインターネットだが、その階層の上に政治や経済など社会活動が上乗せされ、サービス開発者のビジネスなどを含んだものがインターネットとして捉えられてきていると解説する。

 次にIPv6の歴史をひもとき、1992年には既に次世代IPプロトコルの検討が始まり、その後も様々な検討が加えられながら「時間をかけて次の時代の準備」がされてきたと話す。この1992年から始まったIPv6への移行を、新氏は地球上での生命誕生の歴史にたとえる。

 具体的には、1992年を始生代(細菌類が出現した時代)とし、原生代、カンブリア紀、ペルム紀、三畳紀、ジュラ紀と年代別に説明。そこから、IPv4アドレスの在庫枯渇を迎えた現在は、IPv6年代紀におけるジュラ紀に当たるとした。ジュラ紀は地球上の空気が組成変化をした時期で、生命にとっては環境が大きく変わった時代である。そこから新氏は、「インターネット製品はIPv6に対応していかなくてはならない」と話す。

 IPv4アドレスが枯渇した後、通信事業者やプロバイダーが事業継続していく方法は三つあるとする。第1にIPv4アドレスをマーケットから購入する方法。しかしこの方法はIPv4アドレスの費用によってはコスト増になるうえ、どれだけ延命できるかはわからない。第2にIPv4アドレスで運用を続ける方法。しかしキャリアグレードNAT(CGN)を導入することで動作しないアプリケーションがでてきてしまうことや、様々な施策を行うなかではコスト増になりかねない。また、これもどれだけ延命できるかはわからない。

 そして、第3の方法がIPv6アドレスに移行する方法だ。この場合、IPv4環境がなくなるまでは二重運用しなくてはならない。新氏は、今後はこれら三つの方法を取り混ぜてソリューションを作っていくことになるとする。

 最後に新氏は、IPv6対応では新しいドキュメントが公開されており、古い資料を利用しないようにと注意喚起した。IPv6関連の仕様は、1995年のRFC1883が出てから幾度も更新されている。ライブラリやツールのバージョンも確認すべきだという。具体的には、NIST(米国国立標準技術研究所)の「Guidelines for the Secure Deployment of IPv6(NIST Special Publication 800-119)」や、IPv6普及・高度化推進協議会で公開しているドキュメントなどにあたるとよいとした。

 なお新氏のこの講演は、14日(金)の13時20分からも、ITpro EXPO 2011展示会場内の同じステージで行われる予定となっている。