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写真1●IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースのメンバー副代表 荒野高志氏(撮影:新関 雅士)
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写真2●IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースのメンバーで、テレコムサービス協会 政策委員会 委員長の今井恵一氏(撮影:新関 雅士)
写真2●IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースのメンバーで、テレコムサービス協会 政策委員会 委員長の今井恵一氏(撮影:新関 雅士)
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 2011年10月12日から14日まで東京国際展示場で開催した「ITpro EXPO 2011」展示会では、「IPアドレス枯渇対策ワークショップ」と題してIPv4アドレス枯渇対策に関するパネル展示と講演が行われた。

 2日目には、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースが来場者からの質問に答えるセッション「今さら聞けないQ&Aコーナー:応用編」が開催された。回答を担当したのは、タスクフォースのメンバー副代表 荒野高志氏(写真1)と、タスクフォースメンバーでテレコムサービス協会 政策委員会 委員長の今井恵一氏(写真2)。司会は、日経コミュニケーション/日経NETWORKの加藤雅浩副編集長が務めた。

 このセッションでは主にユーザー企業から見たIPv4アドレス枯渇対策とIPv6対応について、来場者からの質問に回答した。冒頭では同日に今井氏が行った基調講演(関連記事)やQ&Aセッション基礎編(関連記事)をふまえ、IPv4枯渇期のインターネットがどうなるかを概説。「インターネットはIPv4とIPv6が混在する“まだら”模様の状態が今後10年くらいは続くでしょう」(荒野氏)と、デュアルスタックの環境が前提となることを説明した。

 今井氏はほかに、Webサイトでサービスを提供する企業が押さえておくべきこととして、「IPv4グローバルアドレスが不足するので、プロバイダーのネットワークにCGN(キャリア・グレード・ナット)と呼ばれる大規模NATを導入することになります」という点を挙げた。CGNは複数のユーザーでIPv4グローバルアドレスを共有するための仕組みで、主にプロバイダーなどが家庭ユーザー向けに導入する。

 CGNを導入すると、ユーザー宅内のブロードバンドルーターにはIPv4グローバルアドレスの代わりに、IPv4プライベートアドレスを割り当てる。すると、「EコマースなどのWebサイトには、アクセスしてきたユーザーの識別にIPv4グローバルアドレスを使っているものがあります。こうしたサイトはCGN経由でアクセスしてきたユーザーを、正常に識別できない可能性が出てきます」(今井氏)。そのほか、不正アクセスなどが起こった際に、アクセス元を特定するのが難しいといった問題もありそうだという。

 続いて司会の加藤副編集長が、「IPv4アドレス枯渇が、企業ネットワークに与える直接の影響は?」という質問を投げかけた。これに対して今井氏は、「企業のLANでは一般に、IPv4プライベートアドレスを使います。そのため、LAN(イントラネット)についてはすぐに直接的な影響はありません」と回答した。

 実は、インターネットなど外部のネットワークに公開するサービスを提供していない企業は、IPv4のままでもさほど困らないという。「イントラネットまで完全にIPv6化している企業は珍しいです。ただ、私が聞いた範囲では、IPv4アドレスの在庫が日本よりも早くなくなってしまうと考えられているインドに事業所を構える企業では、拠点間のVPN網などのIPv6化を検討しているケースがあるそうです。そのほかM&A(企業合併・買収)の回数やグループ企業の数が多い大企業では、社内システムをデータセンターにサーバー集約する際にIPv6化するというケースがありました。複数の組織のシステムを集約する際のアドレス設計は、IPv4よりもアドレス空間が広いIPv6の方が簡単です。ログの取得や解析が一貫してIPv6でできるようになる点もメリットです」(荒野氏)。