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写真1●日立製作所の中西宏明社長
写真1●日立製作所の中西宏明社長
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 日立製作所は2011年10月18日、復興支援を兼ねた自社イベント「日立uVALUEコンベンション仙台」を仙台で開催した。東日本大震災からの復興を支援する活動の一環として、例年は7月に東京で開催するイベントの会場を仙台に移した。基調講演に登壇した中西宏明社長(写真1)は「復旧・復興に向けた活動は長い取り組みになる」と発言。グループの総力を挙げて、日本の再生に取り組む姿勢を明確にした。

 「復興そして未来づくりへ~日立グループとともに~」と題する基調講演の冒頭、中西社長は少子高齢化や食糧・エネルギー自給率の低下といった日本の課題を挙げた後、構造改革の必要性を力説した。「東日本大震災を改革のトリガーにしていくべき」と続けた。

 中西社長が改革の原動力として期待するのは、「知の集積が生む新産業」。「東北地方には、電気通信関係を中心に多くの研究開発機関があり、大きなポテンシャルを秘めている」と語り、日立グループとして各研究開発機関の共同研究を加速する考えを明らかにした。「産官学の連携により、東北ならではの資源を生かして国際競争力を強化していく」。エネルギー、スマートシティ、ITで実現す次世代コミュニティーなど、日立の得意とする各分野で取り組みを進める。

 別の講演では、グループの震災復興統括本部副本部長を務める北野昌宏常務が日立グループの復旧復興活動について説明した。北野常務は「BCP(事業継続計画)の想定が甘く、一部の復旧が長期化した」と率直に認め、6月からBCPガイドラインの改訂に着手し10月からグループ各社に展開を始めたことを明らかにした。

 改訂版BCPガイドラインでは、設備、SCM(サプライチェーン管理)、ITの三つの領域を重点的に見直したという。このうちIT面に関しては、グループ各社の拠点に散在していたサーバー群を堅牢なデータセンターに集約すると共に、IT管理者もデータセンターに集中配備して、万が一の際にもシステムを迅速に復旧できる体制を整備する。

 併せて各種システムのクラウド化にも取り組む。「メールやERP(統合基幹業務システム)はもちろんのこと、設備そのものを制御する業務システムをクラウド化することも検討課題に挙がっている」という。

 日立uVALUEコンベンション仙台は、仙台市青葉区の仙台国際センターで10月18日と19日に催される。19日には、コロンビア大学名誉教授のドナルド・キーン氏の講演や元日本銀行副総裁の藤原作弥氏がモデレーターを務めるパネルディスカッションなどが予定されている。併せて復興支援イベント「東北みらいづくりWeek with Hitachi」が10月15日から10月23日までの日程が、仙台国際センターやJR仙台駅コンコースなどで開催されている。