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 総務省は2011年10月26日、「V-Lowマルチメディア放送について、事業者などを対象に実施したヒアリングの結果を公表した。

 今回は、事業者類型(FM東京およびマルチメディア放送グループ、AM事業者ら、コミュニティ放送事業者ら、NHK)と、主な論点(デジタルコミュニティ放送、ソフトのビジネスモデル、プラットホーム、端末のイメージ、実証実験への参加、NHKの参入)の両面から、それぞれ1ページの分量でヒアリング結果の概要をまとめた。

 マルチメディア放送グループは、帯域や運営の検証のため、3広域圏(首都圏、中京、京阪神)・2県域(静岡、福岡)・5市域(富士、大阪、舞鶴、加古川、唐津)を候補として検討中とした。これについて、ソフト事業に参入を希望する者からは、「条件や内容次第で参加」との意見が多数あったという。

 開示を可とした各社の資料について、その内容を公表しており、NHK、FM東京(関連記事)、主要民放ラジオ事業者の考え方を確認できる。

 NHKは、「東日本大震災の経験を踏まえ、放送体制強化について検討しているが、V-Lowマルチメディア放送に関しては特に考え方は変わっていない」としたうえで、ハード事業について「NHKはハード事業者として参入することは考えていない」「ソフト事業者の多くが出資するコストセンター的、かつ、オールジャパン的な性格を持つ事業者に出資する用意がある」「現段階ではこれに該当する事業者はないと考えており、具体的な出資計画はない」とした。

 CSKは、プラットフォーム事業者としてV-Low事業へ参入するために、ハード事業者への資本参加、およびプラットフォームサービスのデータ配信に必要となる帯域要求を検討していることを表明した。

 コミュニティ放送事業者の中でも、V-Lowマルチメディア放送に高い関心を示していた逗子・葉山コミュニティ放送および「V-Lowにおける地域メディアの在り方に関する連絡協議会」も、ヒアリングで改めて考え方を述べている。

 逗子・葉山コミュニティ放送は、現在はデジタル・コミュニティ放送を実現すべく検討を進めているとし、ソフトのビジネスモデルとしてIPキャストによる新ビジネスモデルの展開を考えたいとした。希望セグメント数として音声1セグメント、IPキャスト2セグメントの計3セグメントの利用を考えていることを表明した。IPキャストのプラットフォームは、CSKと連携して運用を図るという。

 また実証実験について、逗子・葉山コミュニティ放送はぜひ主体的に実験を実施したい旨を表明した。「東海地震に伴う大津波は相模湾にも及ぶことが予想され、その防災のためにもデジタル・コミュニティ放送が大きな役割がある」との考えから、「相模湾防災ラジオ・ネットワーク構想をまとめ神奈川県黒岩知事の承認を得て具体的な検討に入っている」と説明した。その具体化の第一段階として、同社が事業主体となって先行実験放送を行いたいとの考えを表明し、その内容を公表している。連携しながら準備を進めるV-Lowにおける地域メディアの在り方に関する連絡協議会の資料によると、ハード設備は営電と協議している。

 総務省は今後について、今回のヒアリング結果や、ヒアリングで要望のあった実証実験等も踏まえ、制度整備を進めていく予定という。

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