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写真1●デジタルガレージ共同創業者の伊藤穰一氏
写真1●デジタルガレージ共同創業者の伊藤穰一氏
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写真2●デジタルガレージ・グループCTOのイアン・マクファーランド氏
写真2●デジタルガレージ・グループCTOのイアン・マクファーランド氏
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写真3●「Lotus Notesの父」レイ・オジー氏も参加したパネル討論会
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 デジタルガレージは2011年11月3~4日、「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2011 Fall(イベントのWebページ
)」を開催した。同会議は年に2回開催しているイベントで、今回は、ネットビジネスを効率よく短期間で立ち上げる手法として注目を集めている「Lean Startup」をテーマに据えた。イベント自体も「Lean Startup Camp Tokyo」と題して、世界各地からスピーカーを招き、Lean Startupについて意見交換する機会を用意した。

 冒頭の基調講演で、デジタルガレージ共同創業者で、現在は米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの所長も務める伊藤穰一氏(写真1)が、「BI(Before Internet)の世界では“権威”と呼ばれる組織や人が分厚い仕様書を作り、その後サービスを開発していたが、AI(After Internet)では世界はフラットになり誰でもサービス開発に参加できるようになった」と時代の変化を語り、AI時代には「アジャイル(俊敏)で、アドホック(その都度の対応)な方が勝利を収める」とした。

 その背景には、サービスを作り、配信し、コラボレーションのためのコストが圧倒的に小さくなったことが挙げられる。伊藤氏は、著名人の言葉を引用しながら、「小さいパーツが緩やかにつながる」「モノをあまり持たない」「ざっくりとした合意の上で、動いていくものを見ながら軌道修正する」のがよいとした。これらは、いずれもLean Startupの基本的な考えになっている内容である。

 さらに、大企業はビジネスを始める際に事業全体の“地図”を作製、それを俯瞰してリスクを回避しようとするが、「そのコストと時間が惜しいことがある」と指摘する。「社内で会議をしている間に、やってしまった方が安く済んでしまうことがある」(伊藤氏)。さらに、新しいビジネスには「偶然性」が大事だとし、今回のイベントを通じた、いろんな出会いを期待したいとした。

 続いて登壇したデジタルガレージグループCTO(最高技術責任者)のイアン・マクファーランド氏(写真2)が、トヨタ生産方式にならったLean Startupの概念、アジャイルソフトウエア開発やLean UXとの関連、デザインや言語、テストの有用性と関連性などを解説した。同氏は、テストはデザインの一部である、コードは資産ではなく負債になるので極力シンプルにすべき、などスタートアップの心構えを説いた。

豪華スピーカーによる討論会

 同会議の初日では、ネットビジネスを立ち上げた当事者が、特定のテーマについて自らの経験を語り、その後、同じテーマで複数のパネリストと討論するスタイルを採った。主催者が取り上げたテーマは、ユーザー体験の重要性を語る「デザインと戦略」、サービス評価に必要な最小限の機能を抽出する手法「Minimum Viable Product」(MVP)、Lean Startupに不可欠な開発手法である「アジャイル開発とフィードバックシステム」、エンジニアとデザイナーの密な連携方法を討論する「一貫型開発とデザイン」、大企業などスタートアップ以外の組織や既存の組織にも適用範囲を広げるための「多様性」である。各ディスカッションには、伊藤氏がモデレータやパネリストとして参加したほか、米ロータスで「Lotus Notes」を開発、米マイクロソフトのチーフ・ソフトウエア・アーキテクト(CSA)を務めたレイ・オジー氏らも参加するなど、豪華な顔ぶれによる討論が行われた(写真3)。

 2日目は「アンカンファレンス」という手法を採用、参加者は複数のテーマ別に部屋に分かれ、小グループで議論を進めた。アンカンファレンスは、主催者ではなく参加者が討論したいテーマを決めて、関心を持つ人を集める。討論に先立って、議論のリーダーが5分間程度のプレゼンテーションを実施して参加者を募った。今回の話題には、「スタートアップが陥りやすいミス」や「クラウドサービスの応答性の評価」、「日本企業にとってのグローバル市場への参入、「未来を見るインターネット・プロジェクト」などが多岐にわたるテーマが並んだ。