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写真●「TOUGHPAD」の外観
写真●「TOUGHPAD」の外観
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 パナソニックは2011年11月15日、企業向けAndroidタブレット機「TOUGHPAD FZ-A1」シリーズを発表した(写真)。

 FZ-A1の最大の特徴は、工場や設備保守、あるいは病院など、いわゆる「現場業務」での利用に向けた機能や仕様を盛り込んだこと。

 まずは落下時の耐衝撃性能。きょう体内側のケースにマグネシウム合金を採用した。また、エラストマー樹脂製のコーナーガードで、落下時にガラス面が直撃しにくいようにした。これらの工夫により、「故障や破損に強い構造を備えた」(パナソニック AVCネットワークス社 ビジネスソリューション事業グループ ITプロダクツビジネスユニット 市場開発グループ 商品企画チーム TOUGHBOOK担当参事の安藤 達泰氏)。

現場作業に耐えられる耐衝撃と防水防塵を実現

 高さ120cmからの落下試験も実施済み。これはパナソニックが従来から開発・販売しているボディ強化型ノートPC「TOUGHBOOK」シリーズと同じ内容の試験という。

 加えて、「IP65」準拠の防水性能と防塵性能を備える。密閉度の高い本体カバーを採用し、「雨水の中やホコリが舞う現場でも十分に利用できる」(安藤氏)。

 液晶ディスプレイについては、太陽光やオフィスの蛍光灯といった外部からの映り込みを減らす構造を採用。屋外および屋内での視認性を高めた。

 デジタイザーペンによる操作も可能。「デジタル図面への書き込みや、特に海外の顧客が求めるサイン(署名)などに対応するため」(安藤氏)だ。水に濡れた状態でも操作しやすいというメリットもある。デジタイザーペンを画面に近づけると自動的にタッチパネル機能がオフになるので、手のひらが画面に触れても、ペンでの操作の邪魔にならないよう工夫した。

 本体の下部にはハードボタンを搭載。メニュー、ホーム、バックボタンのほか、ユーザー側でアプリ起動などの動作を割り当てられる「USERボタン」を備える。「現場の業務だと、手元で何かを操作しながら画面を参照する、という使い方が多い。『視線が動く状況だとハードウエアボタンがあったほうが便利』という現場のニーズに応えた」(安藤氏)ものだ。現在市場に出ているAndroidタブレット機では、ハードボタンを搭載しない機種が多い。

 また、ハードウエアレベルでのセキュリティ機能も作り込んだ。専用のセキュリティプロセッサを搭載した米Marvell製のSoC(システム・オン・チップ)を採用。暗号化したデータを盗まれにくくした。端末のブート時に不正なコードが入り込んで第三者が勝手に端末を動作させる危険性を下げている。

 海外に拠点を持つ企業に向けて、サポートサービスも整える計画。日本、米国、欧州の主要国において、どこでも修理が受けられるサービスをオプションで提供する予定という。

ノートPCとは異なるタブレットならではの市場に期待

 TOUGHPAD FZ-A1は2種類のモデルを用意する。無線LANと3G通信機能の両方を搭載したモデルと、3G通信機能を搭載しないモデルである。主な仕様は下記の通り。ディスプレイは10.1型TFTカラー液晶で、解像度は1024×768ドット。プロセッサはMarvell製のデュアルコアCPUで、1.20GHzで動作する。無線LANはIEEE802.11a/b/g/nに準拠。Bluetooth通信機能、GPS機能、デジタルコンパスや加速度計、環境光センサーを搭載する。カメラは前面と背面にそれぞれ200万画素と500万画素のものを搭載する。バッテリーは約10時間駆動するとしている。質量は約970g(3G通信機能を搭載しないモデル、ペンを除く)。搭載OSはAndroid 3.2。

 価格はオープン。市場想定価格は「10万円を切る程度」(安藤氏)としている。受注は11月16日から開始する。実際の出荷は2012年5月の予定。出荷までに半年の期間がある理由について、「Androidを使った業務用ソリューションはまだ少ない。受注したのちに、顧客企業やインテグレーションを担当するパートナー企業と共に、細かい内容を詰めていく」(安藤氏)と語る。

 全世界での目標販売台数は、1年間で約10万台。TOUGHPAD開発の背景には、iPadをはじめとしたタブレット機が普及してきたことがあるという。安藤氏は「安価なタブレット機が市場に出てきたことで、タブレット機を現場業務で試す企業が増加している。『数日使ったら壊れてしまった。現場業務のことを考えると機能が足りない。パナソニックで頑丈な企業向けタブレット機を作る計画はないのか』という問い合わせが複数あった。TOUGHPAD開発の背景には、このような企業ユーザーからの声も大きく影響している」と説明する。

 一方で、TOUGHPADはノートPCのTOUGHBOOKとは異なった場面で使われることを想定しているという。「ほかの作業者と一緒に図面を見る、あるいは患者にレントゲン写真を見せるといった、入力業務以外の参照業務で使いたいというニーズを企業から聞いている。このため、TOUGHBOOKとは違う用途で導入されると見ている」(安藤氏)。