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 企業会計基準の調査研究や開発を担当する財務会計基準機構(FASF)は2012年1月下旬に、「会計人材開発支援プログラム」を開始する。IFRS(国際会計基準)の適用を念頭に置き、IFRSを策定するIASB(国際会計基準審議会)へ意見を発信できる人材の育成を狙う。FASFはプログラムを開発した背景について、「中長期的視野に立ったオールジャパンとしての会計人材の育成、特に国際的な会計人材の育成の計画的な取り組みが喫緊の課題になると考えられる」と説明している。

 同プログラムでは、IASBの理事候補やIASBのプロジェクトマネジャー候補の育成を目指す。主な対象は財務諸表作成者や財務諸表利用者、監査人で、年齢は30歳代前半からを想定している。FASFは「若い世代も含めて、幅広い層が参加できるものとする」という。

 プログラムは、IASBのプロジェクトマネジャーの育成を目指す「プロジェクトA」と、IASBの理事候補を育成するための「プロジェクトB」の二つで構成する。

 プロジェクトAは2年を区切りとし、IFRSの基本的な考え方を示す「概念フレームワーク」の理解の促進や、英語力の強化などに主眼を置く。3年目以降はIASBへの派遣や、現在IASBとの交渉の窓口となっているASBJ(企業会計基準委員会)への出向などを想定している。

 プロジェクトBは、2年を区切りとするものの「長期的視点から一部のプログラムについては継続的に実施する」(FASF)としている。概念フレームワークのより深い理解とともに、英語で議論できるスキルの強化や、国内外の関係者との交流を通じたコミュニケーション力の強化に主眼を置いたプログラムを用意する。

 FASFは会計人材の育成の現状について、「アジア諸国は国際的な発言力強化に向け、IASBの理事などのポストの確保などに向けた様々な活動が行われている。だが、日本の現状を見ると明確な戦略がなく、市場関係者のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)や各社の研修プログラムに委ねられている状況にある」と分析。10年3月期からIFRSの任意(早期)適用が始まったことから、「会計基準開発における国際舞台で我が国の存在感を示すとともに、我が国の状況も踏まえた国際的な基準開発を求めていくことが、今後重要な施策である」としている。

 プログラムを開発したのは、11年8月にFASF内に設置した「会計人材開発タスクフォース」だ。タスクフォースは前IASB理事の山田辰己氏のほか、主要監査法人、日本公認会計士協会、日本経済団体連合会、日本証券アナリスト協会の代表者で構成する。プログラムの実施後、3カ月をメドに実施状況の確認や修正点のフォローアップを実施。その後も3カ月おきに、タスクフォースを継続的に開催する計画だ。