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写真1●米Google アイデンティティ関連製品ディレクターのAndrew Nash氏
写真1●米Google アイデンティティ関連製品ディレクターのAndrew Nash氏
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 OpenIDファウンデーション・ジャパンは2011年12月1日、OpenIDの技術動向を紹介するカンファレンス「OpenID Summit Toyko」を開催した。基調講演には、米Googleでアイデンティティ関連製品サービスを統括するAndrew Nash氏(写真1)をはじめ、楽天、国立情報学研究所、日本経済新聞社の代表者がそれぞれ登壇した。

 Nash氏は、OpenIDの普及のためには競合企業同士の協力が不可欠と考える。特に、「OpenID対応サービスを提供する企業同士が、どこまで自社のユーザー登録情報を他社に提供できるかがポイントだ」(同氏)。

 例えば、Googleは個々のユーザーを認証する際に、はがきを送付して住所を確認するという方法をとっている。この認証作業には、1ユーザー当たり8ドル程度のコストがかかるという。ここで、郵便サービス提供者やISPなど、ユーザーの住所を確認済みの企業・団体と情報共有することができれば、認証コストを抑えることができるというのがNash氏の考えだ。「一つのIDで複数のサイトにログインできるというユーザーの利便性に加えて、サービス提供者同士の情報共有によるコストメリットが大きくなれば、OpenIDに参加する企業・団体は増加するだろう」(同氏)。

国内各社が次期仕様「OpenID Connect」採用を表明

写真2●楽天 常務執行役員の和田圭氏
写真2●楽天 常務執行役員の和田圭氏
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写真3●国立情報学研究所 学術ネットワーク研究開発センターの中村素典教授
写真3●国立情報学研究所 学術ネットワーク研究開発センターの中村素典教授
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 続いて、OpenIDを運用している楽天と、今後OpenIDへの参加を予定している日本経済新聞社と国立情報学研究所が、それぞれ自社の取り組みを紹介した。

 楽天は、同社に登録したクレジットカード情報を使って他社サービスの支払いができる「楽天あんしん支払いサービス」を2008年10月から提供している。同サービスの認証には、OpenID技術を使っている。同社常務執行役員の和田圭氏(写真2)によると、OAuth 2.0をベースに仕様策定が進められているOpenID Connectへの対応を近い将来に予定しているという。「ID連携機能が強化されたOpenID Connectを採用することで、ユーザーにさらなる安心・安全を提供するとともに、グローバルなSSO(シングルサインオン)を実現して海外へのビジネス展開を推進したい」(同氏)。

 日本経済新聞社も、年内に「日経電子版」のログインIDにOpenID Connectを適用する計画だ。また、国立情報学研究所が運用する学術eリソース共有基盤「学認(学術認証フェデレーション)」では、大学間でSSOを実現しているログインIDを、OpenIDと連携させる予定。「民間デファクトであるOpenID対応サービスが、学認の認証で利用できるようになれば、学認が産学連携の基盤や、保護者向けのサービスプラットフォームとしても機能することが期待できる」(国立情報学研究所 学術ネットワーク研究開発センターの中村素典教授、写真3)。