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写真1●ニューヨーク証券取引所を運営するNYSE EuronextのHigh-performance Messaging担当ディレクタ マイク・ショーンバーグ氏
写真1●ニューヨーク証券取引所を運営するNYSE EuronextのHigh-performance Messaging担当ディレクタ マイク・ショーンバーグ氏
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写真2●OpenMAMA公式サイト
写真2●OpenMAMA公式サイト
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写真3●東京証券取引所 IT開発部マネージャ 早川剛氏
写真3●東京証券取引所 IT開発部マネージャ 早川剛氏
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 「市況データ配信ミドルウエア『OpenMAMA』をオープンソースソフトウエア(OSS)として公開したことで、新たな収益の道が開ける」---。ニューヨーク証券取引所を運営するNYSE EuronextのHigh-performance Messaging担当ディレクタ マイク・ショーンバーグ氏(写真1)は2011年12月1日、The Linux Foundationが開催したEnterprise User's Meeting 2011の基調講演でこう語った。

 ニューヨーク証券取引所は「すべてのインフラで100%リナックスサーバーを利用している」(ショーンバーグ氏)という。そのシステムを開発、運用しているNYSE Technologiesは2011年10月、データ配信ミドルウエア「OpenMAMA」(写真2)をOSSとして公開した。MAMAはMiddleware Agnostic Messaging APIの略。同社が開発し、実際のサービスで8年以上にわたって利用しているソフトウエアである。

 そのソフトウエアを公開した理由を、ショーンバーグ氏「さまざまなミドルウエアが乱立する弊害を避けるため」という。「MAMAはデファクトスタンダードだったが、OSSにすることでオープンスタンダードになる」(ショーンバーグ氏)。またOSS化により「プロプライエタリな製品を採用しない方針のユーザーでも導入できるようになった。NYSE Technologiesにとってはサポートやプロフェッショナルサービスといった新たな収益の道が開ける」とする。

 公開に当たっては障壁もあった。技術的には、もともとMAMAがOSS化を前提に書かれていないこと、商用製品と密接に連携している部分があったことなどが問題だった。そこで、コードレビューを実施し、商用製品と分離した。またOSSのライセンスを調査するソフトでの検査を行った。

 法的な面では、ラインセンスの選択、関係者の教育などが重要だった。ライセンスはLGPL 2.1を選択している。また既存の契約や、顧客との契約に抵触しないか、NYSEの法務部のレビューを受けた。

 また、コミュニティに受けいられ、“クリティカルマス”の関心を得られるよう、コミュニティのキーパーソンやThe Linux Foundationと初期の段階からコンタクトしたという。

 Enterprise User's Meeting 2011ではこのほか、東京証券取引所 IT開発部マネージャ 早川剛氏(写真3)と富士通 プラットフォームソフトウェア事業本部 Linux開発統括部開発部部長 江藤圭也氏による「Linuxで挑む高信頼・高性能システム ~東京証券取引所arrowheadでの『日本流』OSSコミュニティ協業スタイル~」と題する講演や、シカゴ・マーカンタイル取引所を運営するCMEグループ アソシエイトディレクター兼 Open Systems R&D 代表 ビノッド・クッティ氏による「ミッション クリティカルな環境における Linux」(関連記事:シカゴ・マーカンタイル取引所は4000台のLinuxを利用,自社でカーネルも修正する)という、世界の主要な証券・商品取引所の担当者によるOSS活用に関する講演が行われた。