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写真●第35回情報化研究会で講演するAITコンサルティング代表取締役の有賀貞一氏
写真●第35回情報化研究会で講演するAITコンサルティング代表取締役の有賀貞一氏
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 「仕事が面白くないと感じるのは、単純に“やらされ仕事”をやっているからだ。たとえ“やらされ仕事”でも、その“周辺”の知識・技術を積極的に習得することが重要だ」。

 情報通信業界の私的勉強会である「情報化研究会」は2011年12月7日,第35回情報化研究会を開催。AITコンサルティング代表取締役の有賀貞一氏が、「自分も、会社も、社会も元気にする!IT人生楽しい哉」と題した講演を行い、冒頭のようにIT業界に働く人に提言した。

 有賀氏は2011年9月までミスミグループ本社 代表取締役副社長を勤めており、退社して自らAITコンサルティングを設立した。ミスミグループに勤務するまでは、CSKホールディングスの代表取締役を務めたり、野村総合研究所(NRI)の常務取締役を務めたりといった経歴を持つ。また、情報サービス産業協会(JISA)の副会長も務めた経験がある。

 有賀氏は、NRI(野村コンピュータシステムの時代を含む)やCSK、ミスミグループに勤務していた頃の話を振り返りながら、示唆に富む話を展開した。中でも、ミスミグループの副社長に転身した際の話は興味深い。有賀氏は、転職の動機を「提供側から使う側に移って、システムだけではない仕事をやりたかったから」と語った。

 有賀氏は同社での自らの仕事を「CIO」と称した。しかしその「I」は、「Information」ではなく「Infrastructure」。企業を運営するInfrastructure(基盤)全部を見るからだという。

 CIOとしてミスミグループで手掛けたことは、主にロジスティックスの改革だった。「情報システムは結果的にはインフラだ。例えばネット通販にしても、Webシステムが商売そのものではなく、そこにはきちんとしたビジネスモデルがあり、裏側にロジスティックスがあったり、CRM(顧客関係管理)があったりする。コンピュータシステムだけでは商売にならない」(有賀氏)。

 さらに有賀氏は続ける。「システムの反対語は何か。それはカオスだ。混沌とした状態から秩序ある状態にもっていくことをシステム化と呼ぶ。ある意味、コンピュータや通信は全然関係ない」。こう指摘したうえで、IT業界に働く人に苦言を呈する。

 「コンピュータや通信をやっている人は、どうしてもそっち側から発想する。しかし、会社システムを構成するのはコンピュータでも通信でも、スマホでもない。そうした点が分かっていないままシステム作りをするため、顧客から『あなたは本当にうちの会社のことを思って提案してくれているのか』といった疑問が出てきてしまう」。

 このような失敗をしないために必要なことが、冒頭に示した「周辺知識・技術の習得」だという。「多くの人は“やらされ仕事”をやって、その“やらされ仕事”の分野を専門になったと言う。しかし、その周辺の知識・技術の習得が全然足りない」(有賀氏)。

 自分の知識・技術の総量が周りの人間よりも優れるようになれば、高いポテンシャルを手に入れることができるという。そのうえで「頭の引き出しの多さで勝負しろ」(同)と、IT業界に働く人に向けて訴えた。