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 米Wall Street Journalなどの米メディアは現地時間2011年12月10日、米AT&TによるT-Mobile USAの買収で訴訟を提起している米司法省(DOJ)が、裁判の延期あるいは訴訟の取り下げを検討していると報じた。DOJのJoseph Wayland副司法次官補がEllen Segal Huvelle米連邦地裁判事に意向を伝えており、判事はこの件に関して12月15日に審問を行う予定。

 AT&TによるT-Mobile USAの買収計画をめぐっては、DOJが独占禁止法違反に当たるとして提訴している。一方で米連邦通信委員会(FCC)も聴聞会を開く意向を示すなど買収阻止に向けた動きを見せたため、AT&TとT-Mobile USA親会社のドイツDeutsche Telekomは「司法省との訴訟に注力する」ことを理由に、FCCへの認可申請をいったん取り下げた。両社はこの訴訟に勝訴し、独禁法違反に抵触していないことを認めてもらった後、FCCから認可を勝ち取りたい考え(関連記事:T-Mobile USA買収目指すAT&T、米当局に反論)。

 しかし、米Bloombergなどによると、DOJのWayland副司法次官補は、「この提訴は、AT&TによるFCCへの認可申請が前提になっており、これが取り下げられた今、裁判を急ぐ理由がなくなった。AT&T側が再びFCCに認可申請するまで訴訟をいったん取り下げるべき」と裁判所に説明している。

 Huvelle判事も、「裁判終了後、AT&TがFCCへの再申請に際して契約内容を変更する可能性がある。その場合、この裁判の意味がなくなり、時間と税金の無駄になる」と懸念を示しているという。

 Bloombergは、このまま裁判が長引けば、AT&TはT-Mobile USAとの契約期限の2012年9月20日までにFCCの認可を取得できず、買収計画は失敗に終わると伝えている。