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KDDI 商品統括本部長 兼 コンバージェンス推進本部長 執行役員の牧俊夫氏
KDDI 商品統括本部長 兼 コンバージェンス推進本部長 執行役員の牧俊夫氏
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 「スマートフォンは予想を上回る速度で普及しており、それに伴うデータトラフィック増加への対処は急務になっている。もはや、単一の通信回線ではスマートフォンからのトラフィックは処理しきれない。3G、LTE、Wi-Fi、WiMAXなど様々なネットワークが自動連携する仕組みが必要だ」---。

 2011年12月13日、スマートフォンに関するカンファレンスイベント「スマートフォン&タブレット2011冬」の特別講演に、KDDI 商品統括本部長 兼 コンバージェンス推進本部長 執行役員の牧俊夫氏(写真)が登壇。国内スマートフォン市場の今後の展望と、同社のスマートフォン戦略について説明した。

 MM総研が2011年7月に発表したレポート「スマートフォン市場規模の推移・予測」によると、国内向けに出荷された携帯電話端末に占めるスマートフォンの割合は、2010年度には22.7%だった。これが、2011年度には49.0%、2012年度には60.1%に拡大すると予想している。しかし同レポートの予測値は、KDDIがiPhoneの発売を公式発表する前の数値。牧氏は、「2012年度のスマートフォン比率は、当社の貢献によってもっと大きく拡大している可能性がある」と分析する。

 牧氏は、シード・プランニングが2011年8月に発表した調査結果も引用した。同調査によると、スマートフォンのOS別のシェアは、2010年度にはiOSが53.8%、Androidが32.1%だった。2011年度以降はiOSとAndroidが逆転し、2016年度にはAndroidが54%、iOSが38%になると予想される。同調査では、Windows OSの割合は2011年度から2016年度にかけて大きな変化はなく、シェア10%程度で微減していくと予想している。

 このWindows OSのシェア予想について、牧氏は異論を唱える。「パソコン向けWindowとWindowsスマートフォンが連携するエコシステムをMicrosoftが構築し、その仕組みに関するマーケティングがうまくいけば、今後はWindowsスマートフォンのシェアが伸びると考える」(牧氏)。

Android/Windows Phone/iPhoneから選べる“ワクワク”を提供

 次に牧氏は、KDDIのスマートフォン戦略に言及した。KDDIは、2010年秋に「Android au」のキャッチコピーでAndroidスマートフォン「IS03」を発売してスマートフォン市場に参入。その後、2011年春に「HTC EVO」を発売するなどAndroidスマートフォンのラインアップを拡充しつつ、2011年夏にMicrosoftのモバイル向け最新OS「Windows Phone 7.5」に対応したWindowsスマートフォンを発売し、2011年秋にはiPhoneの取り扱いも開始した。KDDIが、Android、Windows Phone 7.5、iOSの3つのスマートフォンOSを扱う狙いについては、「多種多様なラインアップからスマートフォンを選べる“ワクワク感”をユーザーに用意することで、auの存在意義を高めるため」(牧氏)だという。

 ラインアップの拡充により、KDDIの全携帯電話出荷台数に占めるスマートフォンの割合は短期間のうちに急増している。2010年10月には10%未満だったスマートフォン比率は、2011年7月には40%程度になり、iPhoneを投入した2011月10月以降は50%を突破した。それに伴い、同社のデータトラフィックは爆発的に増加。「2015年のデータトラフィック量は2010年の52倍に達する」と牧氏は予想する。

 牧氏は、急増するデータトラフィックに対処するためには、マルチネットワーク化が必須だと考える。「スマートフォンが今ほど普及していない時代には、3Gの基地局にLTEのアンテナを設置すればトラフィックがさばけると考えていた。しかし、スマートフォンの普及速度から考えて、それだけではトラフィックの爆発に対処しきれない。3G、LTE、Wi-Fi、WiMAX、FTTHなど様々な通信を組み合わせて使うための仕組みが必要だ」(牧氏)。

 マルチネットワーク化の取り組みとして、KDDIは、無料の無線LANスポット「au Wi-Fi SPOT」を全国に展開。電波の強さに応じてWi-Fiと3Gを自動で切り替えるスマートフォンアプリケーション「au Wi-Fi接続ツール」を提供している。そのほかのトラフィック増への対処として、基地局の混雑具合を監視して接続する基地局を自動最適化する仕組み「EV-DO Advanced」を2012年4月にリリースする予定だ。また、2012年12月には、800MHz帯をメインバンドとしたLTEの商用サービスを開始する。