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「アプリ作りは正解はなく、挑戦しつづけることに意義がある」と力強く語るミライアプリ代表取締役 渡嘉敷守氏
「アプリ作りは正解はなく、挑戦しつづけることに意義がある」と力強く語るミライアプリ代表取締役 渡嘉敷守氏
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 12月13日から東京・ベルサール八重洲で開催したスマートフォン関連の総合カンファレンス「スマートフォン&タブレット 2011 冬」。その初日(13日)のセッションの中でも、にぎわっていたのが「ユーザーインタフェース(以下、UI)」をテーマにした講演だ。

 そのトップバッターとなったのは、書籍『AndroidアプリUIデザイン&プログラミング アイデア固めからユーザーフィードバック分析まで』(日経BP社刊)の著者で、多数のヒットアプリを手がけてきた、ミライアプリ 代表取締役の渡嘉敷守氏。UIの重要性と自身のアプリのヒットの秘密を語った。

 まず「今や使いやすいUIは当たり前。UIでアプリそのものの価値をいかに高めるかが重要な時代に突入した」と語り、独自性のあるUI作りに必要なものは「感性」と定義づけた。

 では「感性」をいかに具体的にアプリに反映するのか。この答えを手がけたアプリでの実例を用いて「時間」「レイアウト」「変化」の観点から披露した。

 1本目は自分のワードローブをスマホで管理できる「My Closet」。女性向けアプリだけあり、スクロールすると画面右にデザインされたジッパーが開いていくアニメーションがおしゃれな作り。「このジッパーが開いていく“時間”が肝。手間をかけて作れば、どうしてもしっかり見てもらいたいとアニメーション時間を長く設定してしまうが、そこをさりげなくグッと抑えている。そのさじ加減が大切」と話した。

 続いての「Voice Recorder」は音声を録音するためだけのアプリ。内容に合わせて「レイアウト」もシンプルに徹したという。表示されるボタンは常に一つのみ。リリース直後に「録音と再生ボタンをボタンは二つ別々に表示してほしい」というユーザーの声もあったそうだが、あくまでも分かりやすさというUIに徹したところ、ロングヒットアプリとなったという。

 雑誌連動型ARアプリ「マガポ.」は女性向けファッション雑誌掲載アイテムを、いかに購買に結びつけるかを目的として制作したアプリ。まず雑誌の表紙をカメラに写すと、販売アイテムが掲載されているページの数字が画面下に表示される。興味のあるページをめくると、購入可能なアイテムがAR機能を用い赤い囲みで表示、タッチするとECサイトに飛ぶ仕組みだ。「表紙、興味のあるページ、希望アイテム、ECサイトと段階的に絞り込んでいく作り。その分アイコンの“変化”を用い、わくわくする演出と、すばやい画面の切り替えを意識した」とのこと。

 「誰もがそこそこ使える」ではなく、「ターゲット層を明確化した作り」の重要性も解説した。ミッキーマウスをはじめとする人気キャラクターの絵柄の「ディズニーふせん」では、表示文字は小さめだが、「アプリを使うのは若い層」と割り切って制作している。

 最後にまだ開発中という人間の生まれながらに持つ本質を9つのタイプに分類した「エニアグラム」を活用した子育て支援アプリを披露した。

 約一時間のカンファレンスのなかに、どんなUIの工夫が成功に結びついたのかの、さまざまな事例が満載で、学ぶべきポイントが多かった講演だったと言えよう。

 最後に渡嘉敷氏は、「アプリ制作は“作品”作りとのこだわりを持ってほしい」と、表現者としての自覚を訴えかけた。