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電子情報技術産業協会(JEITA)の矢野薫会長
電子情報技術産業協会(JEITA)の矢野薫会長
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 電子情報技術産業協会(JEITA)の矢野薫会長(NEC 代表取締役会長)は2011年12月15日の会見で、今後の電力需給について「今年の夏は我慢の省エネで電力需要を減らすことができた。しかし多くの企業は、当初言われていた前年同期比25%減をさらに上回るような厳しい省エネを実施していた。高価な燃油を買って自家発電するなどコストがかかっている企業も多く、持続可能なやり方ではない。製造業は電気がなければ生産ができない」と指摘。2012年夏に、2011年夏と同様の具体的な削減目標を定めての節電策を企業が実施するのは困難との考えを示した。

 その上で政府に対しては、「政府はエネルギー基本計画を来年夏までに取りまとめる予定だが、できるだけ早くその方針を、国民全体に問いかけながらまとめてほしい。サプライズになっても困る」と要望した。

 矢野会長はまた、「エネルギーについては、さまざまな方から多様な見方がある。政府は福島第一原子力発電所についての情報を集約して、国民にきちんと納得いただける方針を出してほしい。安全安心が第一であり、不安が残るようなことはやるべきでない。易きに流れず、しっかりやってもらいたい」とコメント。原発事故に関する情報公開の充実や、場当たり的でないエネルギー政策の提示と実行を要望した。

 雇用については、「日本全体では現在、雇用が一番の不安要因になっている。米国型の雇用体系に変えていくべきという有識者もいるが、じわじわ海外生産比率が上がっている現状を考えると心配な状況だ。雇用を維持する、増やしていくために何をしていくのか考える必要がある」とコメント。

 厚生労働省が65歳までの希望者を対象に雇用確保を義務づける法律を検討している件については、「誰でも加齢するに従って、体力や記憶力などのばらつきが大きくなる。1人ひとりの状況に応じて雇用の形を作っていくことが大事。また、若者の雇用を作ることを真剣に考えないといけない。もちろん65歳の雇用も大事だが、それが若者の雇用を減らすことになってはいけない」と語り、慎重に検討すべきとの考えを示した。

 矢野会長はさらに、「社会保障と税の一体改革も含め、全体としての議論をすべき。全体像を見て、その上でこの施策はこう位置づけよう、とやっていかないと、アンバランスな政策になりかねない」と指摘した。