PR

 金融庁は2011年12月22日、企業会計審議会総会・企画調整部会の合同会議を開催し、IFRS(国際会計基準)の適用について議論した。事務局を務める金融庁は、適用の可否に関する最終的な決定時期について、「絶対に2012年に決めなければならないとは考えていない。今後の審議会での議論次第」と述べ、2012年という期限にこだわらない方針を示した。

 IFRSそのものを日本の会計基準として採用する強制適用の決定時期については、09年6月に金融庁が公開した「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」で「12年を目途に強制適用を実施するかどうかを判断する」と示している。合同会議ではこの12年という期限に関して、「中間報告で対外的に公表している以上、守るべき」とする立場の委員もいれば、「12年にこだわらず、じっくり議論すべきだ」とする委員もいるなど、意見は分かれていた。

 今回の会議で、委員からの「12年に適用の可否を決めるという中間報告でのスタンスは維持しているのか」という質問に対し、金融庁は「中間報告で示した『12年を目途』という内容が、消えて無くなったわけではない」としながらも、「あくまで『とりあえず』というレベル」と回答した。

米国の適用方針決定の遅れも影響?

 金融庁は、直近の米国の動向についても説明した。米国証券取引委員会(SEC)は11月16日に公開した文書「米国会計基準とIFRSの比較」と「IFRS適用状況に関する分析」の2種類のスタッフペーパーの概略を解説。さらに12月5日に、SECの主任会計士が「米国のIFRS適用に関するスタッフの最終報告書を作成するためには、あと2~3カ月はかかる見通しである」としたことを説明した。

 米国はこれまで、11年中にIFRS適用に関する方針を出すと公表していた。それが「最終報告書が出てくるのが早くて12年2月。3~4月になるかもしれない。最終決定はさらにその後になる」(金融庁)。米国における適用方針決定の遅れが、金融庁の「適用可否の判断は12年にこだわらない」という方針に影響した可能性もある。

 今回の合同会議は、自見庄三郎金融担当大臣の発言を契機に再開してから4回目となる。今回は前回に引き続き、金融庁が「今後の議論・検討の進め方(案)」として示した11の論点の三つめである「経済活動に資する会計のあり方」について議論した。

 ほかに、会計基準を策定しているASBJ(企業会計基準委員会)が、IFRSを策定するIASB(国際会計基準審議会)に対して11月30日に提出した文書「アジェンダ協議2011に対するコメント」について説明し、委員からの意見を求めた。アジェンダ協議2011は今後の3年間のIASBの活動内容を決める文書。

 ASBJによると「アジェンダ協議2011に対するコメント」はASBJのほか、日本経済団体連合会やJICPA(日本公認会計士協会)、アナリストなどが参加して作成。「日本の関係者の意見を取りまとめた文書であるとIASBにも説明済み」(ASBJの西川郁生委員長)という。

 金融庁は今後の合同会議の進行について、「現在提示している11項目のうち、これで3項目分を議論した。この後は、残る8項目に関する議論を進めていく。その過程で新たな論点が出てくるかもしれない。それについても議論していく」とした。ここまで議論したら、その先は「議論が成熟したかどうかで異なる」(金融庁)。議論が成熟していれば、結論をまとめていき、成熟していなければ「さらに議論を進める」(同)とした。

 合同会議は月1回~2カ月に1回のペースで開催され、一つの論点について1~2回で議論している。このペースで進むと、11項目すべてを議論し終わるのは早くて12年いっぱいとなる見込みだ。委員の一人は、「半年をかけた割にペースが遅すぎる。時間がもったいないと思う。議論をもっと整理して、スムーズに進めるべきではないか」と意見を述べた。

 金融庁は11月下旬から12月中旬にかけて、欧州、米国、中国・韓国への海外調査を実施した。委員の多くも調査に参加しており、その経験を踏まえた発言が目立った。次回の合同会議は、調査報告が中心になるとしている。