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 V-Lowマルチメディア放送の実証実験プロジェクト(関連記事)には、コミュニティ放送事業者による積極的な取り組みが目立つ。例えば、防災デジタルコミュニティラジオ連絡会(事務局はサイマルラジオを行っているコミュニティ放送局の集団であるコミュニティ・サイマルラジオ・アライアンス[CSRA])は、逗子市・葉山町・鎌倉市と、前橋市の2カ所で名乗りを挙げた。

 逗子市・葉山町・鎌倉市の実験は、逗子・葉山コミュニティ放送や地元自治体がメンバーとして参加する。送信設備を担当するメーカーとして営電が参加する。前橋市の実験は、まえばしCITYエフエムや地元自治体、営電がメンバーとして参加する。

 CSRA代表の木村太郎氏(逗子・葉山コミュニティ放送(湘南ビーチFM)代表取締役社長)は、2011年11月に開催されたInterBEEにおいて、東日本大震災を教訓を踏まえて、「V-Lowマルチメディア放送はデジタル・コミュニティ放送に利用すべきである」と強く訴えていた(関連記事1関連記事2)。こうした思いを、実験で実証していく狙いと見られる。

 福島県の喜多方市では、協議会を設立し活動を進める計画だが、地元のコミュニティ放送局の喜多方シティエフエムが参加を予定している。ここでは、V-Lowマルチメディア放送を活用し、市域における行政防災無線整備地区とそうでない地区との情報格差是正を図る。喜多方市では市町村合併により、防災行政無線の整備地区と未整備地区があるという。また安全安心公共コモンズを活用し全市域かつ周辺地域及び福島県を包括した災害情報提供ができるかを検証する。

 IPDCの活用により、声以外の手段による情報提供も積極的に進める。例えば、「災害発生時の情報提供をIPDC技術を活用し視覚化するとともに、地域住民や年間約190万人の観光客を適切に誘導できるかの方策を検証する」という。

 ビジネスモデルの検証として、例えば「観光客向けの観光案内や喜多方ラーメンマップ、蔵のまち喜多方の案内図や映像、音声をIPDCで伝送し観光振興に役立てる。またコンテンツ作成などのICT分野でも雇用創出についての可能性を検証する」といった計画を立てている。